【第一章 異世界入門編】-7話- 2人のエルフ

 受付嬢ルビィ「ハリィさん、アリシアさん、こちらにいらっしゃいましたか、少し宜しいでしょうか?今からギルマスの執務室まで来ていただきたいのですが……」


 そう声をかけた相手はギルド内、酒場側にあるテーブルで席についていたハイエルフという種の冒険者である2人だった。


 ハリィ「どうやら予想が当たっていたようだな、今行こう。」

 アリシア「それってさっきの男性よね、なんだったの結局。」

受付嬢ルビィ「?えーと、取り敢えず向かいながら簡単に説明いたしますね、ただあまり周りに聞かれたくないものになりますので……」

 アリシア「あぁ、わかったわ「シャットシール」」

 

 そう魔法を唱えるやいなや、3人の周りに風の防音壁が生成される。


 受付嬢ルビィ「ありがとうございます、それでは向かいましょう。」


 そう言い、3人は連れ立ってギルマスの執務室へルビィの説明を聞きながら向かうのだった。

 



 ギルドマスターの部屋に入ってきたルビィさんに連れられてきた男女の2人組はよく創作物で出てくるエルフの特徴を準えていた。

 尖った耳に金色の髪、肌色は白色で整った容姿をしていた、男性はキリッとした目をしていて気難しそうな顔をしている。

 女性の方も気の強そうな目をしている、エルフっていうのは創作物の中だとプライドが高いっていうのがあったけどこの世界だとどうだろう、見た感じは高そうだけど……

 あとはエルフは創作物だと控えめなのが多いけど目の前の女性は明らかに控えめじゃあないよな、どこをとは言わないけど。


 ギルドマスター「ハーベストツリーというパーティを組んでいるエルフの2人だ、魔力の使い方を教えてくれる。

 ハリィ、この男は上泉、異世界人だ。」

 ハリィ「ハリィ・ユグフレシアという、なるほど、先程ギルドに入ってくるのを見たがやはり異世界人だったか、異世界の話には興味があってな、魔力の使い方を教える代わりにそこらへんの話をしてくれれば対価は頂かん。」

 アリシア「アリシア・ユグフレシアよ、ふーんなるほどね、異世界人か、なかなかレアよね、いいわ、いろいろと教えてあげる、ハリィが異世界の話に興味あってね、その話をしてくれたら嬉しいわ。」

 上泉「ハリィさんにアリシアさんですね、よろしくお願いします、上泉亮司です、亮司が名前になります。

 苗字が一緒ってことは兄弟とかですか?」

 ハリィ「いや、違う、我々エルフは集落ごとに苗字が決まるのでな、同じ集落出身というだけだ。」

 アリシア「そうね、まあ近々兄弟じゃないけど同じ家庭につく予定なんだけどね」

 上泉「あ〜、なるほどです。」

 婚約者とか恋人って事か、そんな人達に教えてもらうってなんか居心地悪いな!?

 まあでもいろいろ教えてもらってとっとと独り立ちすれば問題ないか。


 上泉「え〜、それじゃあよろしくお願いします、お二方。」

 ハリィ「あぁ、其方こそ異世界の話を頼むぞ。」

 アリシア「よろしくね、上泉君。」

 上泉君って、まあエルフって事は年上の可能性もあるか。

 そうして一通りの挨拶を済ませて2人と一緒にギルドマスターの部屋を後にしたのだった。




 ルビィ「行きましたね、それにしても異世界人初めて見ました。」

 ギルドマスター「俺もだよ、それにしても感情の起伏が少ないやつだったな、いや、あれは表に出してないだけか?」

 ルビィ「覇気っていうんですかね、そうゆうのが全然ありませんでしたよね、大丈夫でしょうか、彼。」

 ギルドマスター「慣れない環境で直ぐに命を落としそうだと?」

 ルビィ「はい、冒険者になるのも何となくで決めてそうなんで、冒険者は命と隣合わせです、いつ命を落としても不思議ではない、そんな環境にそんな中途半端な気持ちで入っては直ぐに死んでしまいそうで……」

 ギルドマスター「そうだな、だが生き残る技術はあの2人から教わるだろう、あとは彼の意思と彼次第なんじゃないか?道は作ってあげた、後は彼が自分でどうにかしていく話であって我々が関与することではないよ。」

 ルビィ「……確かにそうですね。」

 上泉の出て行った部屋にて2人は彼の今後について話していたのだった。

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