【第一章 異世界入門編】-6話- 異世界渡りの影響

ギルドマスター「さて、それでは本題なのだがな、君はこの世界で冒険者として生きるためにここに来た、で会っているかね?」

 上泉「あ、はい、そうですね、他に何がやれることがあるかわからないですし、それでお願いします。」

 受付嬢ルビィ「上泉さんが異世界人ならそれこそ好きな仕事を選べますけどホントにですか?」

 上泉「そうですね……、ちなみに聞きたいんですけど元の世界に帰る方法とかは?」

 ギルドマスター「ないな、過去の異世界人が帰ったって話も聞いたことがないし、存在しないのだろう。」

 上泉「それなら冒険者で大丈夫です、まあ冒険者になって何ができるかっていうのはわからないので何とも言えませんが……」

ギルドマスター「ふむ、ならばとっとと本題に入ろう、先ほどルビィ君が測定してくれた魔力保有量が測定不能の検査結果で表示された、これは君の魔力保有量が規格外に多いことを示してるわけだ。」

 上泉「あぁ、だからレビィさんが驚いてたんですね?」

 ルビィ「なんか上泉さん淡々としてますね、もう少し驚くとかないんですか?」

 ルビィさんが呆れを混じった声で聞いてくる。

 上泉「とはいっても、あまりピンとこないんですけど……」

 

 そりゃあ魔力があればいいなと思ってた中であったのは嬉しいけどその量が規格外だからってそれがどれだけすごいか知識もないと全然わからんしなぁ……

 例えば元の世界で体力が規格外にありますっていってもそれでできるのってマラソンとかで活かせるぐらいだろうし、いや体力はあった方が日常生活でもいろいろ生きるだろうけど体力がある程度あれば十分だろうし……


 ギルドマスター「まあ異世界人ならピンとこないか……魔力はこの世界においてなくてはならない力だ、特に冒険者にはな。

 魔力を身体に巡らせれば肉体が強化され身体能力が跳ね上がる、それ以外にも魔力を燃料に自然現象の具現化、つまりは魔法も使えるしな。」

 ルビィ「それ以外にも魔道具の燃料も魔力です、魔力がないと魔道具は使えません。」

 上泉「魔道具?」

 ルビィ「えぇ、一般市民が使用するコンロなんかやそれこそ冒険者が使用する魔物避けの魔道具など、この世界だといろいろなものが作られていますね。」

 上泉「……なるほど。」

 

 要は元の世界の電化製品の立ち位置にあるものかな?まあこの世界だと燃料が魔力だし電化製品以上にいろいろ幅広くありそうだけど。

 

 上泉「それで、それらを使うのに魔力が必要なのはわかりました、それで魔力量が多いとそれらを使う上でなにかいいことっていう凄い部分ってあるんですか?例えば魔法でしたっけ、俺のイメージだと火の玉だったり雷を落としたりとかが出来るイメージなんですけど……それらを使う時に出力が上がるとか……」

 ギルドマスター「魔法のイメージはそれであっているが、魔力量が多いだけではそんなことはならんな、魔法の出力は魔力量ではなくマナ適正で変わる、というかおそらく異世界人だと魔法は難しいかもな。」

 上泉「え!?魔法難しいってなんでですか!?」

 ギルドマスター「いやなぁ、魔法を使うには魔法毎に決められた言霊を理解して魔法名を発言しないと出ないんだがそのためにはまずこの世界の言語を覚える必要がある、まあ単語だけ覚えても行けるかもしれんがそれでもこの世界の魔法使いに比べたらかなり劣ることになるな、何せ言葉の勉強から入らねばならないからな……」

 上泉「言葉の勉強……そういえば先ほど話していた伝わっている言葉と言っている言葉が違うのって……」

 ギルドマスター「この世界にあるマナが言葉に宿る意思を読み取って伝わる側にわかる言語で伝わるようになっているんだ、そのおかけでこの世界では言語の違いでの意思疎通の齟齬は発生しない。」

 

 おぉ、なんてご都合主義だな、マナなんでもありか。

 でもだとすると……

 

 上泉「言語を覚える上で俺はこの世界の言葉の発音を聞けないってことですか?」

 ギルドマスター「そうだな、対人だとほぼ不可能だ、一応意志を宿らない録音機などに録音した音声ではそのようなことにならないが、それでも言葉を覚えるのが難しのはわかったか?」

 上泉「そうですね、よく分かりましたよ……」

 

 この年で言語を一から覚えるのは厳しいし、ていうか勉強するのもお金必要なんじゃ……この世界の金ないし無理だな。

 

 ギルドマスター「ただ、言語を必要としない身体強化は出来るはずだ、あとは魔法の基礎でもある魔弾っていう技術も魔法とは名ばかりのただの魔力の塊だから使えるだろう、魔力量が多ければ魔力切れを起こさずに使い続けられるだろうからそれらを習って冒険者をやってってみることをオススメしよう。

 ちょうど教えるのに適した人物も今このギルドにいるからな、ルビィ、あの2人を呼んできてくれるか?」

 ルビィ「ハーベストツリーのお二人ですね、分かりました。」

 

 そういってルビィさんは誰かを呼びに行った、なるほど、おれでもできる技術を教えてくれるなら教えてもらおうかな、それからのことはその後考えるか。

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