第２話　猫じいさんの教え

　都内の路上で男性老人が亡くなった。

　事件や事故に巻き込まれた形跡はなく、持病による死亡と診断された。

　肉親である妻や娘らも診断結果を受け入れたため、老人の身元や死についてそれ以上の調査は行われなかった。

　ありふれた自然死。

　都内に限らず、いつでも、どこででも起きている事象であった。

　しかし娘の１人は、老人の今際の際に思いをはせた。

　家族という最も近い立場のはずだった彼女は、だが彼の生き様を知らなかった。

　父は、本当はどのような人物だったのだろうか？

　胸の中を巡る不安と問いに、答えを求めた。

　本人に確かめようのないこの謎は、

　どのような事実をもって解き明かすことができるのか。

　霊感探偵によって「父の真実」がひも解かれた時、

　無知な娘は、ある決断をする。

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