レディネス
しばらく二人の間には沈黙が流れる。
「なあ、兄貴。僕らこれどうすればいいんだ?」
「弟、そうだな。俺らも行った方がいいか?」
「僕にわかるわけない」
「それはそうだな」
「と、とりあえず今日はもう寝よう」
「そうだな」
僕は眠りについた。とでも思うか? この状況で寝れるやつなんていねえだろ。兄貴だってどうせ布団に入ってるけど、寝てねえだろ。まあ、出来るだけ寝ようと努力するけれど。
何て言っていたのが馬鹿みたいに僕は眠りについた。まあ、疲れ切ってたから当たり前か。
明日は兄貴と色々行動しないとだな。この状況は流石に怖い。
翌日
僕は起きた。時間を確認すると、朝八時だということを知らせてくれた。
兄貴は起きてるかなと、期待を抱きながら家の中を散歩しているを異変に気付く。
”兄貴がどこにもいない”
兄貴のことだから勝手に行動するのはいいとして、何も手紙とか残してないのはおかしい。連絡もくれてないし、ってあれ? さっきまでなかったメッセージがある。やっと連絡してきたか。心配かけるなよな。
『森の中にある板。失踪。自分の意思じゃない。』
それを見た瞬間僕の安堵は百八十度変わることになった。
取り残されたのは――僕だけ。
これは僕に行けといわんばかりな状況だった。でも僕は行けるような状況ではない。
僕はとりあえず
僕は友達に連絡を取った。
『おい、状況がやばくなってきた。』
『マジ? 俺にできることある?』
『僕以外の家族が全員行方不明になった。見当はついてるけど。で、お前に最後に言いたいことがある。』
『なんだよ、別れみたいに。』
『どうなるか実際分からないからな。』
『確かに。』
『僕が一週間たっても連絡してこなかったら、やばいと思え。助けに来いとは言わない。危険だから。でも、失踪したことは胸の中に留めてほしい。』
『わかった。頑張れよ。』
『うん。』
もし僕がいなくなってしまった時の対応はできるようにした。
心の準備をしないと。もし明日にして、寝てる間に兄貴みたいに誘拐されたらいやだからな。
僕は、心を一生懸命に落ち着かせた。
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