絵を具現化する魔法を使う画導士、そして医療。
タイトルの封印画導士、という単語も相まって、興味が惹かれました。
主人公、ノヴァは、その力を医療のために使う画導士であり、とても優秀だった。けれど、あまりにも優秀過ぎて、国に危険視されてしまい、果ては投獄。
さらにそこから出るために持ちかけられたのは、結婚。
ノヴァの画導士としての腕前は素晴らしく、それを巧みに描写する作者様もまた、頭が下がる思いです。
画導士という設定もそうですが、色々な可能性を感じました。
そしてもう一つの見所はアエルの溺愛です。
結婚したばかりなのに独占欲丸出しで、何故、彼がそこまでノヴァに固執するのか。
そんな疑問など吹き飛ぶほど、ノヴァとアエルがカッコいいため、どちらも応援したくなるんです。
けれど、最後まで読んでみてください。
そしたら、画導士だけでなく、恋路も応援したくなりますよ。
この話は、主人公・ノヴァが投獄されるところから始まる。
捕まった理由は、彼女が努力により身につけた黄金螺旋画法が使えることがバレて、国家を転覆させる危険性があると判断されたからだ。
そんな彼女が外に出る方法は、なんと嫁入りであった。
そうして、結婚することになったノヴァとアエル。
夢へとひたむきに努力できるノヴァ。
彼女が習得した黄金螺旋画法も、彼女だからこそ習得できたのだなあと納得させるものでした。
それなのにもかかわらず母親から結婚をせっつかれる姿は、いつかの自分を見るような気持ちになりました。
世界観としては、現代日本よりも男尊女卑的なところが色濃く出ているので、それもまた彼女にとっては大きな壁なのだなと思いました。
そのノヴァの結婚相手であるアエル。
なんとまあノヴァへの親愛度が最初からとても高い。
本当に高いのです。めちゃくちゃノヴァを溺愛するのです。
また、この話には随所に色々な問題がでてくるのですが、ノヴァを支えてくれるアエルの姿はとても素晴らしいものです。
最後の最後まで楽しく、そして、これからどうなるのか。
とても楽しみな作品です。
絵を具現化する魔法を使う画導士、ノヴァ。その力を医療に使う心優しい女性。しかし黄金螺旋画法を使える彼女の力を危険視した国の判断で投獄されてしまう。
牢を出るための条件としてまさかの「結婚」を申し出てきたのは、ヴェール公爵家嫡男であり、画導騎士団長でもあるアエルだった。
監視下に置くための契約的な結婚。そう思っていたのに、アエルはなぜか最初から親愛度MAX!「借りがある」と説明し、ノヴァを溺愛するアエルに私の口角は上がりっぱなしでした。それはアエルが超絶美形男子だからというだけではありません。この世界では男尊女卑の思想が色濃く蔓延っています。女性は女性らしく女性の役割をこなしていればそれでいい。だからノヴァのように優れた画法を扱えたり、それで功を成そうとしたり、国家画導士の名誉に付こうとするとやっかみが生まれます。「女のくせに」と言われて続けるノヴァを、アエルは全力で支えてくれるのです。彼は女性を尊重するのと同時に、ノヴァ自身を肯定してくれます。彼女の生き方、やりたいことを夫としてバックアップしてくれる姿に、「地球上の男性の全てがアエルだったらいいのに」と身も蓋もないことを思ってしまいました。
何より、困難だらけな茨道を傷だらけになっても進もうとするノヴァがかっこいい。信念のある女性は強く美しいのです。命の灯火が風前に晒される医療の現場で彼女が絵を描く姿は凛々しくて、女性として憧れます。そりゃあアエルも惚れるよ、と。
描いた絵が具現化すると言う設定は、メディアミックス化したらとっても映えそうな要素でいいなぁと思いました。強く逞しい女性の代表格である副団長テッサ、掴みどころがないけど「この人すごそう!」と思わせてくれるイケオジニャーさん、王様大好きラブラブ王妃シュリーナなど、脇を固めるキャラクターたちも精鋭揃いです。アエルさんがノヴァさんに過保護になるのもわかります(笑)
文字で彩る絵画ファンタジーと言うのでしょうか。新しい世界を見せてもらえたような気がします。
信念を貫く女性の生き様を追いたい人におすすめの一作です!ぜひご一読あれ!
1話目で、ゾクゾクッとさせられました。
まず、設定が良い。絵を具現化する魔法、それを医療に用いる……これだけで、夢がある。希望に満ち溢れている。それを志す主人公など、まごうことなき大正義ヒロインであるはず。
しかし、そんな主人公ノヴァの志は、「女だから」というだけでいとも簡単に阻まれてしまう。
それを救うのが、アエル。アエルと結婚することで、ノヴァは自由の身となる。
たまらん。1話で既に、大正義が勝利することを確信する。
その後の展開で、やはりヒロイン・ノヴァが大正義であることを読者は実感する。とにかくこのヒロイン、絶対的に応援したくなるのだ。
一見するとクールタイプなのに、アエルには言い負かされてばかり。類まれな能力があるにもかかわらず、自身の限界を知り、沈みこむ。
その姿に、読者は涙を誘われる。背中を押したくなる。
「我々になにかできることはないか!?」と立ち上がりたくなる。
―――しかし読者諸君、心配はいらない。
ノヴァのとなりには、アエルがいるからだ。
1話目でノヴァの絶体絶命のピンチを救ったのは、アエルなのだ。結局のところ、大正義ヒロイン・ノヴァを救うのは、大正義ヒーロー・アエルなのだ。
ただ、わたしはいま別の意味でやきもきしている。
2人のイチャイチャする姿が、もっと見たいのだ。枯渇している。
随所随所で甘い場面を見せられることにより、より一層2人がイチャコラするところをはやく、はやくと欲してしまっている。汗だくのまま砂漠を歩きながら、目の前でスポーツドリンクをちらつかせられているような感覚だ。
とにかく、いい作品です。完結してほしくない。ずっとこの作品を、この2人を眺めていたい。
一風変わった『画導士』というのは、いわば魔法のような力で絵に描いたものを具現化できる能力を持った人です。
主人公のノヴァにはその能力があり、優れていました。そしてそれを懸命に伸ばしたのは『医療』への挑戦のため。
ところがその使い方には禁忌とされるものもあり、それによって投獄される――
そんな困難な状況から、なぜか公爵のアエルと結婚することになり、磐石な地位を得たノヴァはどうしたかと言うと、信念に向かって突き進むのです。
困難や悲しいことは当然起こります。時には身の危険も。でもブレずに信じたことをやり遂げるかっこいいヒロインに、釘付けになります!
一方で、勉強ばかりしていたノヴァは、人の心の機微や恋には疎いけれど、それもまたピュアでとても可愛いです。
ヒーローだけでなく、サブキャラのイケおじたちや女騎士もまた良い味を出しています。
是非彼女の生きる道を、一緒に応援してみませんか?明日も頑張ろうという気にさせてくれる、素敵なお話ですよ!