第5話科挙とカンニング
北朝の軍人出身の文帝は南朝を押さえ、中国を統一して隋を開き、都を長安に定めた。
官吏登用には、魏の時代から続く、家柄の推薦の九品中正を廃止して、儒学の試験によって広く人材を集めようと、科挙の制度を作った。
科挙は、587年頃から1904年まで続く。
誰もが官吏になる事が出来る科挙制度は、人々の夢であり受験生はお家、一族の期待を背負い勉学に励み、おおよそ3000倍というとてつもない倍率の試験に挑む。
試験内容は、聖典や主要な解説書を全て丸暗記して、作文作成能力や文字の美しさを要求された。
試験は3年に1度。だから科挙浪人が多かった。
そこで、受験生の中にはカンニングをする者も。
下着にびっしり文字を書いたり、カンニングペーパーに何万文字も書いて持ち込んだり。
科挙の試験は受験生同士で情報のやり取りをしない様に、レンガで囲まれた部屋で問題を解いていたので、カンニングをしやすかった環境とも言える。
しかし、受験生の不正が発覚すると1ヶ月間首かせをさせられ、しまいには辺境に飛ばされ兵役に就かなくてはいけなかった。
また、試験監督官が受験生とグルになったり不正を働いた場合、最悪死罪になる。
昔も今もカンニングはいつの時代も存在するが、受験生にとっては決してプラスにはならない。自分の力を信じられない人たちだ。
しかしながら、気持ちは理解する。理解するがいけない事である。
ちなみに、音楽の蛍の光は科挙の受験生の唄です。
蛍の光、窓の雪。
蛍を麻袋に入れて、灯り代わりに、雪に反射する月光で勉強する受験生の姿を唄いました。
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