Ⅳ 幸福は落日し、そして神を喰らう
<台本概要>
◆台本名◆
フラグメント・ストーリーズ~アンドラアスタ×ファンタジア~ 第4弾
『幸福は落日し、そして神を喰らう』
◆作品情報◆
ジャンル:ファンタジー
男女比 男:女:不問=2:2:0(総勢:4名)
上演時間 40~45分
<アンドラアスタ×ファンタジアについて>
下記リンク先を参照ください
https://kakuyomu.jp/my/works/16817330661664200401/episodes/16817330661664224459
<登場人物>
アレクセイ=ファルネリド・グローリア Alexei=Farnelid Gloria
性別:男性、年齢:30歳(過去編)→38歳(現在)、
台本表記:アレクセイ
物語の主人公で、【
第18代皇帝。
無能であった先代皇帝の父を暗殺し若いながらも
〝ある使命〟によりアンドラスタ大陸全土に戦争の
混乱を
アナスタシア=セラム・グローリア Anastasia=Seraum Gloria
性別:女性、享年:21歳、台本表記:アナスタシア
アレクセイの妻で、エリミネンス=グローリア帝国
穏やかで心優しい女性で、夫のアレクセイとは政略結婚ではあったが、
2人は相思相愛の関係であった。
彼の心の
ヴェルネルド=ドミトリー・グローリア Vernardo=Dmitri Gloria
性別:男性、年齢:19歳、台本表記:ヴェルネルド
アレクセイとアナスタシアの間に産まれた2番目の子で、エリミネンス
=グローリア帝国の第二皇子であったが、長男の死により第一皇子へと
神を否定し
拒絶する。
《令嬢(フロイライン)》 The Fräulein
性別:女性、年齢:(見た目は20代前半)、台本表記:《令嬢》
謎の組織【
相手を
マクスウェル・シルヴァーン Maxwell Sylvain
性別:女性、年齢:(見た目は20代前半)、台本表記:マクスウェル
【
の
アレクセイから「
と拒絶されている。
【
グローリア王家と共に【
<用語説明>
アンドラスタ大陸
【
帝国、【
【
五大国(ごたいこく)
アンドラスタ大陸にある5つの大国を指し、他の国々と異なり大陸を創った
【
帝国、【
【
エリミネンス=グローリア帝国
【
『軍事』の国で、通称【
軍事力については大陸で1,2位を争い、他の国と異なり魔法を使える者
は存在せず、また厳しい気候から資源確保が難しいが科学技術などの文明が
他国よりも進んでいる。
しかし、資源確保が困難であることから
<台本配役表テンプレート>
台本名:『幸福は落日し、そして神を喰らう』
URL
https://kakuyomu.jp/my/works/16817330661664200401/episodes/16817330661666362419
アレクセイ=ファルネリド・グローリア:
アナスタシア=セラム・グローリア/《令嬢》:
ヴェルネルド=ドミトリー・グローリア:
マクスウェル・シルヴァーン:
男性帝国民:※ヴェルネルド役との兼ね役
女性帝国民:※マクスウェル役との兼ね役
帝国文官:※ヴェルネルド役との兼ね役
----------------キリトリ線----------------
※台詞検索にお役立てください。
☆:アレクセイ (♂)
〇:アナスタシア、《令嬢》 (♀)
△:ヴェルネルド、男性帝国民、帝国文官 (♂)
□:マクスウェル、女性帝国民 (♀)
<台本本編>
【アバンタイトル】
〇アナスタシアN:アンドラスタ大陸の
エリミネンス=グローリア帝国。
【
された『
共に、
それを後に
多くの国民たちが
振るっている。
やがて終着点である帝国軍総司令部に到着すると、先程まで
の
エリミネンス=グローリア帝国、現皇帝・アレクセイ=
ファルネリド・グローリアの登場によって
☆アレクセイ:
そして
を行った。
――
不安になる者がいるだろう、疑念を持つ者がいるだろう。
それは
しかし……我らの
我がグローリア王家と共に帝国を
【
〇アナスタシアN:そう高らかに
ではなく兵士たちも
しかし、すぐに彼らは話を聞くために
☆アレクセイ:我がエリミネンス=グローリア帝国は高度の文明力を持つが、
全体的な国力は決して高いとは言い
資源確保は他国と
が
――だからこそ、【
帝国を守るために!!
ならばこそ、ならばこそ!
私もこの国の
国民を! 兵士を!! 国を!!!
我ら帝国の
立ち上がれ! 我らはこの大陸の
〇アナスタシアN:大衆たちは
そして
=グローリア帝国、
アレクセイスの顔色は変わらず、
導く独裁者の顔であったが、腹の
☆アレクセイ:――神の
実にくだらない……本当に
神と言う存在は
実に
〇アナスタシア:『
【シーン01】
〇アナスタシアN:演説を終えたアレクセイは兵士たちに
司令部の外へと出る。
多くの
そして彼は
☆アレクセイ:
△男性帝国民:何をおっしゃいますか、皇帝
我ら、帝国民は
【
☆アレクセイ:……そうか。
〇アナスタシアN:最後の言葉に、アレクセイの心が
そこに――
□女性帝国民:
△男性帝国民:おまえ、一体何を――
□女性帝国民:この時だからこそ、この時だからこそお願い出来ない
ことです!
どうか、この子に
〇アナスタシアN:周りの空気が
男が女の肩を
△男性帝国民:おまえ!
自分が何を言っているのかわかっているのか!!
□女性帝国民:でも! でも!!
自分の子の幸せを願うのは親として当たり前の事じゃない!!
〇アナスタシアN:周りにいた誰もが恐れていた――「この女は殺される」。
女性も
「自分の子が何よりも幸せであって欲しい」という
親のエゴ、
☆アレクセイ:そこまでにしておけ。
△男性帝国民:
妻は混乱しているのです! 代わりに私の命を――
☆アレクセイ:必要はない。
□女性帝国民:っつ!
☆アレクセイ:そう身構えずとも良い。
□女性帝国民:
アナスタシア、アナスタシア・イーズノックと申します。
☆アレクセイ:そうか……アナスタシア・イーズノックよ。
□女性帝国民:えっ……?
☆アレクセイ:喜んで、
□女性帝国民:よろしいのですか?!
☆アレクセイ:
子は宝だ、我が帝国の未来に
そして、
この子だけではない、
□女性帝国民:私もですか?
☆アレクセイ:そうだ、そして夫のお前もそうだ。
いや、それだけじゃないここに
も
守るべき存在だ、それが
さあ、子を抱かせてくれ。
□女性帝国民:ありがとうございます!
☆アレクセイ:どれ……ほう、これは可愛らしい顔をしているな。
おおっ、そうか! 笑顔を浮かべるか……
△男性帝国民:――
〇アナスタシアN:男性がそう言うと、周りも同じ言葉を唱える。
母である女性は感動で泣き始めた。
☆アレクセイ:
お前は
〇アナスタシアN:誰にも聞こえないように小声で彼はそう言った。
【シーン02】
△ヴェルネルドN:時は昔へと
アンドラスタ大陸全土に
数年前の記憶。
☆アレクセイ:笑ったぞ! 見たか、アナスタシア!!
ヴィクトルが笑ったぞ!!
〇アナスタシア:ええっ、そうね。
笑った顔が
☆アレクセイ:何を言う。
この愛らしい顔は、
あぁ……実に良き王になるぞ。
〇アナスタシア:ふふっ、ヴィクトルも嬉しそう。
お父様だってわかるのね。
☆アレクセイ:この子は
帝国を
……しかし、出来るならば
幸せに生きて欲しい。
そのために、父と母はお前に
〇アナスタシア:そうね、この子の幸せは私たちの幸せであるものね。
△ヴェルネルドN:すると、
□マクスウェル:
入室してもよろしいでしょうか?
☆アレクセイ:……入るが良い。(※不機嫌に)
□マクスウェル:ありがとうございます、
△ヴェルネルドN:
その者は男とも女とも、どちらにもとれる
アレクセイはこの人物を
神を
水と油の様に
そして何もかも見え
を
□マクスウェル:これは、これはヴィクトル
〇アナスタシア:ありがとう、マクスウェル――
☆アレクセイ:(※被せる様に)マクスウェル、要件を言え、
〇アナスタシア:
□マクスウェル:よろしいのです、
――
ヴェルネルド=ドミトリー・グローリア
誕生により【
を
☆アレクセイ:あの
△ヴェルネルドN:アレクセイの言葉に、マクスウェルは
それに気付かない訳もなく、彼は
悲しそうな表情を浮かべ、
ふためいていた。
すると――
〇アナスタシア:あぁ、泣かないで。
大丈夫よ、ヴィクトル。
そうね、怖かったのね。
困ったわ、泣き止まないわ……あれなら……
(※『キラキラ星』を歌いますが、ここは好みです。)
△ヴェルネルドN:泣き始めたヴィクトルを安心させるために、
アナスタシアは子守歌を歌い始めた。
聴く者を安心させる、優しい歌声は空気を変えた。
□マクスウェル:ゴホン……
いえ
正しき
いくら
☆アレクセイ:……そんなことは理解している。
□マクスウェル:では
△ヴェルネルドN:マクスウェルが部屋を出たのと同時に、アナスタシア
の子守歌が終わる。
ヴィクトルは安心したかのようにぐっすりと眠っていた。
〇アナスタシア:ふぅ、良かった……
あなた、いくら何でもマクスウェルに対して――
☆アレクセイ:
〇アナスタシア:(※小声で)しっー! ヴィクトルが起きてしまいます!
☆アレクセイ:あっ……す、すまない。
そうであったな……ヴィクトルもすまなかったな。
――ふっ、気持ちよさそうに寝ている。
△ヴェルネルドN:自身の子の寝顔を見て父親の顔へと戻り、
しかし、彼の心の
あのマクスウェルという者が、
何か
出来る事なら、この心配が
であったが、その予感が最悪な形で
も無かった――
【シーン03】
〇アナスタシアN:そして
歴史ある
決まりとして
と
過去において一度も問題は起きなかった。
今回もそうであった
(間)
△帝国文官:
☆アレクセイ:どうした?
△帝国文官:ヴィクトル
☆アレクセイ:ヴィクトル……息子に何があったと言うのか?!
△帝国文官:
☆アレクセイ:なっ!!
〇アナスタシアN:
向かっている最中に
救い出されるも、その
しまっていた。
――そして、二度と両親の前で、あの明るい笑顔を見せる
ことはなかった。
【シーン04】
△ヴェルネルドN:長男・ヴィクトルが事故によって亡くなって数年後。
次男のヴェルネルド=ドミトリー・グローリアが誕生
した。
けれども、ヴィクトルとは異なりヴェルネルドは泣いて
ばかりであった。
☆アレクセイ:アナスタシア! アナスタシアはどこにいる!!
ヴェルネルドが泣き止まないのだ!
〇アナスタシア:あらあら、ヴェルネルドは泣き虫さんね。
そんなに
☆アレクセイ:しかし、私が抱くまでは落ち着いていたのだ。
まるで私を
〇アナスタシア:そんなことはありませんよ。
あなたはヴェルネルドの父なのです。
きっと、お父上に元気な姿をお見せしたかったのですよ。
☆アレクセイ:そうか……なら、いいのだが……
〇アナスタシア:大丈夫、大丈夫です。
もう……そんな悲しい顔をしないでください。
私やヴェルネルドだけじゃないわ。
天国にいるヴィクトルも悲しんでしまいますわ。
☆アレクセイ:アナスタシア……
〇アナスタシア:それに、最近は
私、大好きなのよ、
☆アレクセイ:……すまなかった。
そうだな、愛しの
〇アナスタシア:もう、そんな恥ずかしいことを言って……ほら、見て。
ヴェルネルド、泣き疲れちゃったみたいね。
すやすやと眠っているわ。
☆アレクセイ:あぁ、そうだな。
今度こそ守らなければ……今度こそは……
【シーン05】
△ヴェルネルドN:しかし、
悲しみを
愛する
そして、ある日の夜――。
〇令嬢:こんばんわ、
☆アレクセイ:何者――っつ!
☆アレクセイM:どういうことだ……?
なぜ、アナスタシアと同じ顔をしている?
いや、顔だけじゃない声までも一緒だ……!
〇令嬢:うふふ、どうしました?
私の顔に何かついていますか?
☆アレクセイM:違う……目の前の女は彼女ではない!
彼女は……死んだのだ!!
☆アレクセイ:貴様、何者だ?
〇令嬢:
☆アレクセイ:
〇令嬢:まあ、怖い。
でも、本当に
声、顔、髪型、髪の色、そして身体の形……全てが
☆アレクセイ:そうか……ならば――
〇令嬢:えっ?
☆アレクセイ:――死ぬがいい。
□マクスウェルN:
アレクセイは目に止まらぬ速度で
そして、続けざまに目の前にいる女の首を
とするも――
☆アレクセイ:ほう……驚いたな。
その
□マクスウェルN:女は
その
〇令嬢:こちらこそ驚きましたわ。
まさか本当に首を
☆アレクセイ:そのつもりだったが?
〇令嬢:あははははは!
多いと聞いておりましたが……
☆アレクセイ:…………。
〇令嬢:あら? あらあら、例え
可愛いヒトですね~
☆アレクセイ:黙れ!! これ以上……アナスタシアを、彼女を
〇令嬢:くっ……素晴らしい、素晴らしいわ!
それでこそ人間という存在よ!!
怒りを! 悲しみを! 激情をもっと私にぶつけて
☆アレクセイ:っつ……力が増した……!
予想以上の
〇令嬢:光栄です、
お
☆アレクセイ:ただ……まだ、甘いな。
〇令嬢:っつ!
☆アレクセイ:
□マクスウェルN:女の顔から余裕から消える。
一瞬にして、男が目の前にいたのだ。
〇令嬢M:また首を……ならば!
☆アレクセイ:甘いな、失敗したのなら違うところを
〇令嬢:ぐっ!
☆アレクセイ:勝負あり、だな。
殺すのは後にすればいい、その剣がお前の手から離れれば
十分だ。
〇令嬢:敗けましたわ、
☆アレクセイ:ほう? 顔に
のか……
――せめてものの
〇令嬢:なら、ひとつお話を聞いていただけませんか?
☆アレクセイ:良かろう、許す。
〇令嬢:――手を結びませんか?
☆アレクセイ:なに?
〇令嬢:私と、ではありませんが我々と手を結んで頂けませんでしょうか?
☆アレクセイ:ふざけているのか?
〇令嬢:ふざけている訳ではありません。
□マクスウェルN:女の
そこには死の恐れはなく、まっすぐな
彼女は本気で言っているのだ。
☆アレクセイ:――面白い事を言う女だ、
〇令嬢:この世に
☆アレクセイ:ハッ! 減らず口を叩くか……興が乗った、話を聞こう。
ただし、お前の見た目は
内容がくだらないものであれば、
〇令嬢:ありがとうございます。
☆アレクセイ:しかして、手を結ぶ理由は
〇令嬢:――〝
☆アレクセイ:ハッ! アハハハハハ!!
これは
〇令嬢:
なぜなら……
☆アレクセイ:ここまで来ると笑えないぞ、本当に頭がおかしいのか?
〇令嬢:それは
どうです?
☆アレクセイ:たわけ、どこの世界に
〇令嬢:これはとんだ
に
ひとまずは私の事は《
☆アレクセイ:また面白い冗談を言う……それで、《
〝
〇令嬢:それでは最終的に失敗に終わってしまうではありませんか。
そして……ご
【シーン06】
△帝国文官:し、失礼します。
サルーシャ・キアランスキー、
☆アレクセイ:来たか……
△帝国文官:はい……それで
☆アレクセイ:
△帝国文官:は、はい! せめて命だけはご
☆アレクセイ:貴様は、ヴィクトルの〝
を
そのことに
△帝国文官:は、はい!
☆アレクセイ:続けて問う……なぜ、
△帝国文官:どうしてそれを――ぐうっ!
☆アレクセイ:何故!
答えろ!!!
△帝国文官:ひい!!!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!
そんなつもりはなかったんです、そんなつもりじゃ――ぐうっ!
☆アレクセイ:
早く答えろ!!
△帝国文官:す、全てはシルヴァーン
☆アレクセイ:
△帝国文官:
私は最初反対したのです!!
〝
危険な目に遭ってしまうと!!
しかし、
そうとなると、私たちに拒否権はありません……
☆アレクセイ:……だとしても、何故、報告をしなかった?
△帝国文官:そ、それは……
☆アレクセイ:答えろ。
△帝国文官:……
☆アレクセイ:貴様は――
△帝国文官:本当に申し訳ありません!!!
☆アレクセイ:……貴様に怒りをぶつけたことで
ないことはわかっている……わかっているんだ……
ご苦労だった。
△帝国文官:へい――
□マクスウェルN:サルーシャが
彼の首を
後に動かなくなった。
△ヴェルネルド:な、なにをしていらっしゃるのですか……父上……
□マクスウェルN:ハッと我に返ったアレクセイは声がした方向
へと目線を向ける。
彼の足元に刎ねられた首があった。
☆アレクセイ:ヴェルネルド……なぜ、
△ヴェルネルド:どうして……どうして殺したんだ!?
□マクスウェルN:ヴェルネルドは怒りの
非難の
物事を知るような
父を嫌った。
母が死んでから、
へと突き進む父を認める訳にいかなかった。
それは父が拒絶する
神を
――まさに水と油の関係性。
☆アレクセイM:あぁ……その
それは
神の
☆アレクセイ:何をしている、今すぐに出ていくんだ。
△ヴェルネルド:…………。
☆アレクセイ:聞こえなかったのか、今すぐここから出てい――
△ヴェルネルド:いい加減にしろ……
☆アレクセイ:なに?
△ヴェルネルド:いい加減にしろ!
あんたは
☆アレクセイ:ヴェルナルド、落ち着くんだ。
△ヴェルネルド:母上を病死に見せかけて殺したのだろう?
☆アレクセイ:何を馬鹿なことを――
△ヴェルネルド:
【
☆アレクセイM:やめろ……その名を出すな……!
忌々しい者たちの名を口にするな……!
やめてくれ……それ以上は言うな……
△ヴェルネルド:アンタは……アンタは……!!
☆アレクセイM:やめろ……やめろ……
△ヴェルネルド:父親なんかじゃない!!
□マクスウェルN:その言葉で、アレクセイの頭の中が真っ白となる。
気が付いていた時は、息子のヴェルネルドを抱いていた。
息子の腰を右腕で抱き寄せながら、こめかみを左の手で
押さえていた。
――やがて左手は噴き出る血で真っ赤に染まり、
【シーン07】
△ヴェルネルドN:場所は〝冬の神殿〟。
マクスウェル・シルヴァーン
神に
□マクスウェル:――んっ? これは、これは
☆アレクセイ:…………。
□マクスウェル:ふむっ……ここは神が
せめて
来て頂きたいものです。
☆アレクセイ:マクスウェル・シルヴァーン
□マクスウェル:なんでしょうか、
☆アレクセイ:お前は、グローリア王家に、エリミネンス=グローリア帝国
に
□マクスウェル:それはもちろんでございます。
私は
【
【
と
☆アレクセイ:お前は神を見たことがあるのか?
□マクスウェル:いいえ……ですが、いると信じております。
この大陸と帝国が
☆アレクセイ:……神と言うのは、
□マクスウェル:なんですって?
☆アレクセイ:
マクスウェル・シルヴァーン
……いや、【
□マクスウェル:なっ!
☆アレクセイ:驚いたか?
まさか
そして、
を望んでいる。
微量の毒を混ぜた治療薬を飲ませ続ける事で、アナスタシア
の病気を進行させる事で殺した。
そして……そして、ヴェルネルドを
で殺した。
□マクスウェル:…………。
☆アレクセイ:そして最後に……何もかも失ったことに絶望し、
に
じゃない……多くの人間を
……それがお前の計画だろう?
□マクスウェル:(※拍手しながら)ご
……いや、アレクセイ。
☆アレクセイ:
□マクスウェル:そこまで知っているのなら、特別に教えてやろう。
何も人間の世を
【
は賛同している!!
ただ……
【
馬鹿な奴らだ……しかし、それでも良い。
おまえら、人間らは多数決の原理を好む。
5柱の内、3柱の神々は滅びを望んでいるんだ!!
――お前たちの
――お前たちは我々の道具でしか過ぎないのだ。
これは修正しなければいけない、新しく創り直さない
といけない。
☆アレクセイ:そのために今回の
人類を許さないか。
□マクスウェル:その通りだ!
おまえたちは部品でしかないにも関わらず、
我らの世界を
この帝国はなにもかも失敗作!
国も、民も、全てが失敗作!!
廃棄物でもなんでもない、今すぐにでも亡きモノに
すべきだ!!!
☆アレクセイ:ククッ……
□マクスウェル:何がおかしい?
☆アレクセイ:ククッ、アハハハハハ!!
私は間違っていなかったのだ! 神は存在しない!
神とはヒトの手によって創られた、
に過ぎん。
目の前にいるのは、ただの
□マクスウェル:…………はっ?
☆アレクセイ:人間を見下していながらも、ヒトの姿をしているのが
いや、ヒトと
……ヒトモドキの
□マクスウェル:貴様あああああああああああ!!
☆アレクセイ:ほう……それがお前の
なければならない。
□マクスウェル(機神):貴様を生かす訳にはいかない。
☆アレクセイ:神の
□マクスウェル(機神):簡単だ、貴様を我が
物言わぬ機械にする。
☆アレクセイ:
――拘束せよ、
□マクスウェル(機神):なっ! どうして、それを……ぐうっ!!
どうして、神殺しの道具を持っているんだ!!
〇令嬢:私が
□マクスウェル(機神):どうして、どうして……何故、生きているんだ!!
おまえたち、一族は――
〇令嬢:ごきげんよう、と言っておきますわ。
それとも、お久しぶりのほうがいいかしら?
――
いわば、同志であります。
あなた方を殺すために、ね。
□マクスウェル(機神):
主の危機であるぞ! 助けに来い!!
〇令嬢:無駄ですよ、貴方の大事なペットたちは私たちのモノになりました。
□マクスウェル(機神):ぐっ……放せえ! はなせえええええ!!
〇令嬢:暴れないでくださいまし?
エリミネンス、私の本当の名を知っているでしょ?
□マクスウェル(機神):わ、わかった! 私が誤っていた!!
アレクセイ!! 望むのならお前の妻を――
☆アレクセイ:……ほう?
□マクスウェル(機神):な、なにを……
☆アレクセイ:神は
……お前は間違いを
□マクスウェル(機神):あっ……
☆アレクセイ:
〇令嬢:
□マクスウェル(機神):あぁ……あぁ……
〇令嬢:それではさようなら。
久々の食事ですわ――【
□マクスウェル(機神):いやだ……いやだああああああああああああ!!
【シーン08】
△ヴェルネルドN:パレードが終わり、アレクセイは自らの
どこかくたびれた表情を浮かべ、亡き妻の写真を見て
いた。
〇令嬢:お疲れさまでした、
☆アレクセイ:せめて
〇令嬢:何回もしましたけれど、何も反応がありませんもの。
☆アレクセイ:まったく……それで、
お前の想い通りに進んでいるのか?
〇令嬢:ええっ、もちろんです。
先のロゼッタ
【
そろそろ次の計画を進めるために、
考えないといけません。
☆アレクセイ:それには、もう少し時間が必要だ。
〇令嬢:それは何故?
☆アレクセイ:パレードをしたばかりだ、国家の
〇令嬢:今のあなたの中に、この国の未来があるのですか?
☆アレクセイ:……
この国を守る
〇令嬢:それに?
☆アレクセイ:……彼女との約束だ。
〇令嬢:そうですね、あなた。
☆アレクセイ:――ふざけた
〇令嬢:ふふっ、ごめんなさい。
でも、そんなことを言いながら……貴方と身体をまぐわった時を
忘れる事は出来ません。
まるで亡き奥様を重ねて――
☆アレクセイ:その口を閉じろ、これが最後だ。
〇令嬢:こわい、こわい。
それじゃあ、私は
――そういえば、ひとつ聞き忘れていました、
☆アレクセイ:なんだ?
〇令嬢:私たちの子供――
☆アレクセイ:……それは本心からの心配か?
〇令嬢:ええっ、もちろん。
子の成長に関心がない親は親ではないですわ。
☆アレクセイ:お前が親を語るのか……
〇令嬢:ふふっ……あなたのその顔、ゾクゾクしてしまいますわ。
最期まで楽しませてくださいね? それではごきげんよう。
☆アレクセイ:――ふん、やっといなくなったか。
奴にとって、私の
ただ……最後まで貴様らの思い通りになると思うなよ……
この戦争を
必ず、同じ地に
そして、我ら、ヒトの手による新たな時代を始めよう。
人間は――っつ! あた、まが!! ぐあっ……!!
△ヴェルネルドN:
彼の頭によぎる。
あの日の夜を、息子を自らの手で殺してしまった
動かなくなった息子を抱きかかえ、
罪の記憶を。
☆アレクセイ:はぁ……はぁ……わかっている、わかっているさ。
私の最期はきっと悲惨なものであろう。
生きているよりも、死んだ方がマシと感じるぐらいの苦痛や
――当然だ、どんな理由であれ、私は息子だけではない。
国民を、兵士を、他の国の民……多くの人間の命を
奪ってきたのだ。
その報いは受けよう、自らはただの罪人だ。
だが、ここまで来たのならば……私は解放するのだ……!!
人間は、
――せいぜい、高みの見物を決めていろ。
底知れぬ人間の悪意に
(END)
フラグメント・ストーリーズ:アンドラスタ×ファンタジア 如月にがつ @nigatsu_kisaragi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。フラグメント・ストーリーズ:アンドラスタ×ファンタジアの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます