Ⅲ キミシニタモウコトナカレ
<台本概要>
◆台本名◆
フラグメント・ストーリーズ アンドラスタ×ファンタジア シリーズ 第3弾
『キミシニタモウコトナカレ』
◆作品情報◆
ジャンル:和風ファンタジー
男女比 男:女:不問=3:3:0(総勢:6名)
上演時間 50~55分
<アンドラアスタ×ファンタジアについて>
下記リンク先を参照ください
https://kakuyomu.jp/my/works/16817330661664200401/episodes/16817330661664224459
<登場人物>
祈里待 湊(いのりまち みなと)
性別:男性、年齢:19歳、台本表記:祈里待
本物語の主人公で、
が危機に
主でもあり、
二人の時は「
〝とある事件〟によって【
八芭螺 桔梗(はばら ききょう)
性別:女性、年齢:18歳、台本表記:桔梗
貴族であることに
竜宮豊玉之命(りゅうぐうとよたまのみこと)
性別:女性、年齢:(見た目は20代後半)、台本表記:竜宮
【
一人称が「
を
先代【
八芭螺 纏(はばら まとい)
性別:女性、年齢:30歳、台本表記:纏
『
を使わない。
貴族にもかかわらず、
当主に
㐂那屋敷 厳爾朗(きなやしき げんじろう)
性別:男性、年齢:28歳、台本表記:㐂那屋敷
『
戦う事を好み、特に強い相手との戦いを何よりも望んでいる。
壱宣瀬 秤(いちのせ はかり)
性別:男性、年齢:29歳、台本表記:壱宣瀬
『
非常に冷静沈着な性格の持ち主であり、【
に名を
䅣儀 緋真(すめらぎ ひさな)
性別:女性、年齢:享年23歳、台本表記:䅣儀
先代【
継承後も病は治ることがなかったため、戦いに身を投じたこともあり
病死してしまった。
<用語説明>
アンドラスタ大陸
【
帝国、【
【
五大国(ごたいこく)
アンドラスタ大陸にある5つの大国を指し、他の国々と異なり大陸を創った
【
帝国、【
【
龍櫻國(りゅうおうこく)
【
龍と心を通わすことが出来る、通称【
一部の者はヒトと龍の間に産まれた半人半龍であり、特権階級を
また一年中咲き続ける【
竜人(りゅうじん)
国内で特権階級に位置する。
半人半龍であるため、ヒト型の時は龍の要素としては頭に龍角が生えている。
龍としての力は刀として具現化されており、それは各人によって形態
は異なる。
龍として力を発動する時は、継承した龍の名前と『
八大貴族(はちだいきぞく)
【
【
【
【
【
【
【
【
【
【椒圖(しょうず)】
【
【
特定の家の者が
司る象徴は『
護国卿(ロード・ガーディアン/ごこくきょう)
各国の
特殊な能力や
人間性が
あくまで使命を第一とするため味方の
『神の
<配役表テンプレート>
台本名:『キミシニタモウナカレ』
URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330661664200401/episodes/16817330661665825456
祈里待 湊:
八芭螺 桔梗/䅣儀 緋真:
【将軍】竜宮豊玉之命:
【狻猊】八芭螺 纏:
【睚眦】㐂那屋敷 厳爾朗:
【贔屓】壱宣瀬 秤:
----------------キリトリ線----------------
※台詞検索にお役立てください。
☆:祈里待 湊 (♂)
〇:八芭螺 桔梗、䅣儀 緋真 (♀)
△:【将軍】竜宮豊玉之命 (♀)
□:【狻猊】八芭螺 纏 (♀)
◇:【睚眦】㐂那屋敷 厳爾朗 (♂)
▽:【贔屓】壱宣瀬 秤 (♂)
<台本本編>
【アバンタイトル】△竜宮:『今よりは
△竜宮:――
△竜宮:時は
△竜宮:理解しておる……このような情を抱いたとしても何も変わらぬ事を。
△竜宮:9回目の命日を迎えると、【
△竜宮:
この
(間)
☆祈里待:ここは……
▽壱宣瀬N:
周囲に見える光景は咲き誇る
☆祈里待:神社? いや……なら、
それよりもどうやってここに……
〇䅣儀:こっちですよ。
☆祈里待:えっ?
〇䅣儀:こっちに来てください。
▽壱宣瀬N:声は女性だ、見知らぬ女性。
それは優しい声だった、そして
しかし、記憶が抜け落ちたのか思い出そうとするも思い出せない。
やがて、ある丘の上に
〇䅣儀:こんばんわ、ここまでご苦労様です。
▽壱宣瀬N:
優しさが
そして、
けれども、それに
☆祈里待:
それに、その
〇䅣儀:
今は、
ここにいるのは、同じ
身分と立場は不要――それに私は、
☆祈里待:自分と、ですか……?
〇䅣儀:ええっ、そうですよ……今は
☆祈里待:名前まで、どうし――
〇䅣儀:申し訳ありませんが、
私たちには時間が残されていませんので……
――
命を守るか、それとも――
▽壱宣瀬N:そう女性が言った
が
☆祈里待:ま、待ってくれ! まだ最後まで!!
▽壱宣瀬N:
けれども彼は
最後に彼女はつぶやいた。
〇䅣儀:キミニシタモウコトナカレ
▽壱宣瀬N:不思議なことに、その言葉は
【シーン01】
☆祈里待:待ってくれ!
……あれ? 夢、だったのか。
それにしても、現実の事だった感じがするけど……
あの女のヒト、何が言いたかったんだ?
なにか伝えたかった感じだったけども……ん?
――やっべ!
(間)
☆祈里待:1121、1122、1123……
□纏:
☆祈里待:1150、1151、1152……
□纏:だからこそ、俺は心苦しく感じている。
☆祈里待:1161、1162、1163……
□纏:さっ、あと200回! 追加だ!!
☆祈里待:ちょっとまてぇい!!
□纏:なんだ? 口ではない、身体を動かせ、動かせ。
☆祈里待:「なんだ?」じゃないでしょーが!
100㎏の
□纏:しょうがないだろう。
☆祈里待:それはスイマセンでした!
でも、どうして200回追加されるんだ?!
□纏:それは俺の言葉に反応しないからだ。
☆祈里待:
〇桔梗:うふふ、
☆祈里待:お、お
□纏:おはよう、
〇桔梗:おはようございます、
見に来たんですが……予想通りでした。
もう!
私の
そうやって
☆祈里待:お、お
□纏:だってさ、どうする?
☆祈里待:だってさ、じゃないでしょーが!!
てか、なんで重量が増しているんだぁ……!
□纏:俺が乗っているからな!
☆祈里待:ああっ! 納得の重さ!!
……あれ?
□纏:よし、死ね。
☆祈里待:あああああああああああああ!!
【シーン02】
☆祈里待:あぁ……全身がいてぇ……マジで
〇桔梗:
☆祈里待:でもさ、
〇桔梗:えい!
☆祈里待:あいたぁ!?
〇桔梗:……また、傷が増えている。
☆祈里待:えっ?
〇桔梗:傷が増えている、と言ったのです。
☆祈里待:もしかして背中の
大丈夫、もう治っ――
〇桔梗:この間の火事の時ですか?
☆祈里待:……あぁ、まあな。
子供が取り残されたって聞いてさ……それに
火消し隊が到着するまでには手遅れになると思って、さ。
って、そんな顔をするなって!
俺なら
〇桔梗:どれだけ心配しているかわかってる?!
☆祈里待:…………。
〇桔梗:
今回はたまたま無事でいたからいいけど……
本当に死んでしまったら、私……私……
☆祈里待:……ごめん。
〇桔梗:ちゃんと約束を守ってください!
私の許可無しで死ぬことは許しません!!
☆祈里待:うん、わかった。
〇桔梗:……足りません。
☆祈里待:へっ?
〇桔梗:ちゃんと
☆祈里待:さっきのじゃダメなの?
〇桔梗:ダメです!!
☆祈里待:泣き虫の
どんなことがあっても、お
〇桔梗:よろしい!
☆祈里待M:良かった……なんとか、
□纏:ほ~う
☆祈里待:嫌な予感が……
□纏:
〇桔梗:
☆祈里待:最悪だ……
□纏:みなと~? 何か
☆祈里待:えーっと、自分にはさっぱりで何の事だが……
□纏:「どんなことがあっても、お
☆祈里待:おーい! やめろー!!
□纏:なんだ? お前のマネをしただけだが?
☆祈里待:明らかにバカにしているだろ!!
〇桔梗:そ、それにしても!
一体、どうされたのですか?
□纏:仕事の話だったら良かったんだが、ちょいと面倒な事になってな……
〇桔梗:
□纏:
てか、もう来ているんだがな。
△竜宮:
☆祈里待:えっ?
〇桔梗:今の声……もしかして……
□纏:そうであろう、そうであろう!
☆祈里待/〇桔梗:
△竜宮:ふふっ、
☆祈里待:大変
〇桔梗:
大変申し訳ありません。
△竜宮:良い良い。
それに
伝えた以上、
それにしても……
□纏:だって、ここの家の
〇桔梗:
△竜宮:
まあ、そんな
【
□纏:まあ、確かに此処に
ひと
あーはははは!
▽壱宣瀬:その軽口の実現をご
□纏:げっ……いたのかよ……
▽壱宣瀬:当然だ。
につくのは
□纏:相変わらずお
▽壱宣瀬:
☆祈里待:えっ?
▽壱宣瀬:
☆祈里待:ちょく、れい?
△竜宮:そうじゃ、
□纏:何かやらかしたのか?
☆祈里待:
□纏:おっ?
☆祈里待:スイマセン。
▽壱宣瀬:【
□纏:えっ? 俺も?
△竜宮:そうじゃ。
もちろんだが、それも
□纏:わかってますよっと、
で、参考程度ですけど。
▽壱宣瀬:貴様、いい加減に――
△竜宮:構わん、【
――シンリュウからの
□纏:なっ!?
〇桔梗:うそっ……
☆祈里待:えっ? どういうこと?
△竜宮:なんじゃ、知らぬのか?
□纏:当たり前だろ……こんなことは限られたヤツしか知らねえんだから。
△竜宮:そういえば……そうじゃった。
いかんなぁ、
――さて、
☆祈里待:は、はい!
△竜宮:お主にはこの
【
その
直接
――よいな?
☆祈里待:承知しました!
△竜宮:ふふっ、期待しておるぞ?
□纏M:うわっ……あの
かなり
【シーン03】
<幕府へ向かう馬車のひとつに湊・桔梗・纏の3人が乗っていた。>
☆祈里待N:
信じられない事だった。
【
しかし、誰がそんなこと
俺には出来ない、今だって信じられないことだ。
決して
にも関らず、
なるかもしれない……
□纏:なんだ、お前は!
☆祈里待:だー! もう! わかっているんですか?!
□纏:まあ、そうだろうな。
☆祈里待:
まさか……知っていたんですか?
□纏:……まあ、俺だって【
とは言っても、
まるで、
〇桔梗:
□纏:あぁ、その時は
〇桔梗:それじゃあ、いずれは
□纏:……そうだ。
〇桔梗:そう、ですか……
☆祈里待:ちょっと待てよ! まだ決まった訳じゃない!
それに、いくら
□纏:くどいぞ、
☆祈里待:っつ!
□纏:おまえがいくら
それとも、なんだ?
☆祈里待:そんなことは……
〇桔梗:良い事ではありませんか、
☆祈里待:お嬢! 何を言っているんだよ……
〇桔梗:とても
主としてはとても……とても
☆祈里待:っつ! おまえはそれでいいのかよ!!
〇桔梗:…………。
☆祈里待:昔、約束しただろ! 何があってもお前の
〇桔梗:……そんな事、
☆祈里待:
〇桔梗:黙りなさい!!
☆祈里待:っつ!
〇桔梗:貴方は私の
自らの
☆祈里待:お前は――
□纏:二人ともそこまでだ
<祈里待、桔梗。纏の制止の声にはっとする。?
☆祈里待:…っ!
〇桔梗:っ、姉上……
□纏:馬車が止まったという事は、どうやら到着したようだな……
☆祈里待:…はい
〇桔梗:…分かりました……
□纏:(※小声で)……まったく、まだまだ子供だな
【シーン04】
◇㐂那屋敷:んっ?
よぅ……誰かと思えば
相変わらず、気に食わねぇツラをしていやがるなァ!
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:おいおい、無視かよ……
こちとら
しょうがねえってのによぉ……
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:
あんまり
▽壱宣瀬:なら、それは良かったな。
◇㐂那屋敷:あっ? 何を言って――
▽壱宣瀬:出ろ、【
◇㐂那屋敷:ふざけるな、何の
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:なんだと?
▽壱宣瀬:
お前には、「
◇㐂那屋敷:おいおい、今度こそ本物なんだろうな?
かれこれ8人を相手にしてきたが、全員が偽物
だっただろうがァ!!
▽壱宣瀬:だからと言って、
◇㐂那屋敷:こちらと
全員が
しまいには戦いを恐れて背中を見せた馬鹿野郎もいる!!
▽壱宣瀬:…………。
◇㐂那屋敷:最後の
▽壱宣瀬:ふぅ……
元からなのか?
◇㐂那屋敷:そう思うんだったら、他の【
▽壱宣瀬:そうはいかない。
◇㐂那屋敷:あ゛ァ? なら代わりにテメェを今ここで
▽壱宣瀬:今回は
◇㐂那屋敷:なに? おいおい、
お笑い草だなァ!!
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:事実じゃねえか!
よし、わかった! それなら喜んで従ってやるよ!!
もちろん、殺してしまっても
▽壱宣瀬:
◇㐂那屋敷:ククッ……クククッ、久しぶりの本気の殺し合いだァ!!
▽壱宣瀬M:しかし、これでいいのだろうか……
(※回想シーン)
▽壱宣瀬:はっ? 今、なんと……?
△竜宮:【
▽壱宣瀬:お言葉ですが、
また、あの
△竜宮:……おまえさんは、あの者が負けると思うのか?
▽壱宣瀬:はっ?
△竜宮:あの者は本物じゃ、一目見ただけで感じた。
▽壱宣瀬:それは一体……
△竜宮:あやつから
今までの者にはない、明らかなモノじゃ。
しかし、今のままでは力を解放する事は出来ん。
ならば、無理やりにでもこじ開ける。
▽壱宣瀬:つまり――
△竜宮:
(※回想シーン)
▽壱宣瀬M:……
【シーン05】
☆祈里待:ここは……?
△竜宮:
ここで発生する
☆祈里待:だから『
△竜宮:ええのう、
ならば、どうしてお主をここに連れてきたか……わかるか?
☆祈里待:
△竜宮:そうじゃ。
そして、そのために――
◇㐂那屋敷:テメェが【
☆祈里待:えっ?
▽壱宣瀬:遅くなってしまい大変申し訳ありません。
△竜宮:構わないぞ、
さて……
☆祈里待:準備?
△竜宮:
☆祈里待:え、えーっと……
◇㐂那屋敷:
☆祈里待:っつ!
◇㐂那屋敷:良い反応するじゃねえか!
今までのザコとは大違いだ! うれしいぜ!!
☆祈里待:そいつは……どうも! ふんっ!!
◇㐂那屋敷:はっ!
その短刀は……そういえば、テメェは
なら、
だったら、わかっているよな?
俺はそこらへんの
そんな短刀じゃ俺を
その
☆祈里待:なんだんだ、こいつは?!
△竜宮:【
その
☆祈里待:ちょっと待って!?
あのヒト、全力で俺を殺そうとしてきているんですけど?!
△竜宮:
☆祈里待:
△竜宮:勝てなければ、お主は死ぬ。
それだけだ。
☆祈里待:……あぁ、納得。
だから、
その時点から感じていたけど……嫌な予感はあたるもんだ。
△竜宮:さて、戦いは始まってしまったが……何か言葉はあるかのう。
☆祈里待:特に……いや、ひとつあります。
△竜宮:なんじゃ?
☆祈里待:絶対に
△竜宮:……
では、行って参れ。
◇㐂那屋敷:刀を
久しぶりに楽しめそうな戦いだ。
特別に
……我が名! 【
の
第7代
☆祈里待:腹をくくるか……我が名は!
☆祈里待/◇㐂那屋敷:いざ
【シーン06】
□纏:(※大きなあくびを一回した後に)ヒトを呼んでおいで待機とか。
暇すぎるな、お前もそう思うだろう?
〇桔梗:…………。
□纏:ききょー!
〇桔梗:あっ! はい!
どうしましたか、
□纏:全く……聞いていなかったな?
〇桔梗:申し訳ありません……
□纏:アイツのことが気になるか?
〇桔梗:い、いえ……
□纏:
〇桔梗:……はい。
□纏:しょうがないヤツだ……
〇桔梗:はい。
【
の役割を果たす龍。
他の【
によって選ばれた者しか力を
□纏:そうだ、そこには
……
死から9回目の命日を迎えた年に新たな
全ては
〇桔梗:
□纏:お前が成人を迎えた時に話そうと思ったが……
まあ、知っておいてもいいだろう。
つまり戦いを通して力を
〇桔梗:戦いを通して……それって!
□纏:……そうだ、
確かに
相手が
この
〇桔梗:
□纏:そうだ。
【
恐らくは……勝つのは難しいだろうな。
〇桔梗:くっ!
□纏:どこに行くんだ。
〇桔梗:止めるんです! こんなこと、馬鹿げています!!
□纏:これは
お前ひとりで何とか出来る問題ではない。
〇桔梗:ですが!
□纏:
〇桔梗:っつ!
□纏:物事の
〇桔梗:それは……
□纏:好き、だからか?
〇桔梗:(※恥ずかしくなって声にならない声を挙げる)
□纏:まあ、そんなことはとっくの昔に気付いていただけどな。
ただ……それだけじゃないんだろうな?
〇桔梗:えっ?
□纏:何かに
理由はなんだ?
〇桔梗:――彼とは……
覚えていますか? 父上と母上が亡くなった日を……
□纏:忘れるわけないさ……いくら、任務で離れていたとは言え、
〇桔梗:あの時、私も危うく殺されそうになりました。
ですが――
(※回想シーン;始まり)
☆祈里待:
〇桔梗N:
出来ず
☆祈里待:ぐあっ!!
〇桔梗:
☆祈里待:ま、けるもんかああああああ!!
〇桔梗N:彼は倒れそうになる身体を立たせるために、
思いっきり足で踏ん張り、すぐさま
〇桔梗:
☆祈里待:わるい……、遅くなって。
でも、
〇桔梗:バカ!
☆祈里待:ちょ、ちょっと待って……俺、負傷してる……
ぽかぽか
〇桔梗:どうして
下手したら死んでしまったかもしれないのに!!
どうして?!
☆祈里待:……そりゃあ、
〇桔梗:
☆祈里待:ちげえよ。
〇桔梗:えっ?
☆祈里待:主とか関係なく、
〇桔梗:(※小声で)本当にあなたというヒトは……
☆祈里待:今、なんて――いったぁ!! そこ
……
〇桔梗:そんなことを言うんだったら、約束して……私の
☆祈里待:
〇桔梗:絶対に帰って来て!
……勝手にいなくなったら、承知しないんだから。
☆祈里待:――わかった、約束する。
お前の事は必ず守るし、勝手にいなくなったりしない。
(回想シーン:終わり)
〇桔梗:――彼との大事な約束なんです。
でも……申し訳ありません。
少し頭を冷やして――
□纏:いいじゃねえか。
〇桔梗:えっ?
□纏:たくっ……うちのかわいい妹にそこまで言わしたのかアイツは!
〇桔梗:
□纏:
お前のその言葉ってある意味プロポーズじゃねえか!!
〇桔梗:えっ……えっー!!!
□纏:よし、行くぞ!
〇桔梗:えっ? どこにですか?
□纏:決まっているだろ?
お前の愛しい人に会いに行くんだよ!
〇桔梗:ちょっと姉上!?
▽壱宣瀬:――やはり、来て正解だったな。
□纏:ちっ、空気が読めないヤツが来やがったか。
▽壱宣瀬:空気が読めないのはお前のことだろう。
やはり、私の予感は当たっていたか。
貴様は、必ず
ならば、私はここでお前を食い止めるまでだ。
□纏:いいねぇ! 最近は平和過ぎて身体がなまっていたんだ!!
お前だったら加減しなくても……半殺し程度で済ませられるな。
▽壱宣瀬:……私は、
□纏:おいおい、その
〇桔梗:は、はい!
▽壱宣瀬:行かせぬ。
□纏:邪魔してるんじゃねーよ!
▽壱宣瀬:ぐっ!
□纏:てめぇが力を使うんだったら、コッチもやってやるよ。
▽壱宣瀬:貴様……!
〇桔梗:
□纏:俺の事はどうでもいい、早く行け! こいつを抑えている間に!!
…………よし、行ったな。
あら、よっと!
▽壱宣瀬:ぐっ!
□纏:
▽壱宣瀬:ちっ……やはり、お前を
□纏:それは
そもそも俺の大事な妹を
▽壱宣瀬:当然だ。
□纏:お前の辞書には「
▽壱宣瀬:私は
そして『
その私が、
□纏:やっぱりうざいな、お前。
▽壱宣瀬:その言葉……貴様にそっくりそのまま返してやる
□纏:
▽壱宣瀬:『
□纏:『
▽壱宣瀬:『
□纏:『
▽壱宣瀬・□纏:『
【シーン07】
△竜宮N:場面は移り替わり、
部屋全体に響き渡る
それが
☆祈里待:くっ!
◇㐂那屋敷:剣の腕は悪い訳じゃねえが……ただ、そんなんじゃ俺に勝てるわけねぇ!!
☆祈里待:そんなことわかってる……つーの!
◇㐂那屋敷:いいじゃねえか! 守ってるばっかりじゃつまらねぇからなァ!!
☆祈里待:無茶を言うな。
これが【
◇㐂那屋敷:逃げの剣ばかりしているから、テメェも
☆祈里待:勝手にそっちが
◇㐂那屋敷:うるせぇ
まあ、
☆祈里待:なっ、消えた……!
◇㐂那屋敷:殺す事だけは変わらないからなァ!!
☆祈里待:一瞬で目の前に……!! ぐうっ!
◇㐂那屋敷:ほれほれ! 生きたければ、俺を
そんなショボい剣術じゃあどうしようもないぞ!!
☆祈里待:好き放題言ってくれるじゃねえか!!
◇㐂那屋敷:ほう? やっと少しはマシな動きをしたか。
だけど、もう長い事をやった。
テメェ
△竜宮N:そう言って、
◇㐂那屋敷:――
☆祈里待M:なんだ? 空気が……
◇㐂那屋敷:味わえ、【
――『
△竜宮:気を付けるんじゃよ、
◇㐂那屋敷:『
△竜宮:そして
◇㐂那屋敷:『
△竜宮N:そう
すると、それは一瞬にして消え、
☆祈里待:龍だ……本物の龍だ……
△竜宮N:見た目はヒト型ではあるも、
天高く飛び上がるための大きな
これが【
【
◇㐂那屋敷:この力を使うのは久しぶりだァ……だから、加減は出来ねえぞ!!
☆祈里待:突っ込んでくるか、なら――
△竜宮N:刀を構えたその
身体全体が壁に
☆祈里待M:い、ま……何が……起きた……?
早すぎる……くっ……身体が……
◇㐂那屋敷:ちっ、あっけないもんだったな。
まあ、しょうがねえな。
それじゃあ――
☆祈里待M:まず、い……このままじゃ……っつ!
ダメだ……全身が痛く、て……動けない……
◇㐂那屋敷:――死ね。
〇桔梗:
△竜宮N:龍と
突き刺そうとした、その瞬間だった。
声が聞こえた、彼の名を呼ぶ
その声に【
☆祈里待:き、ききょう……!
◇㐂那屋敷:あっ? なんだァ、あのガキは?
〇桔梗:湊、起きて! お願いだから起き上がって!!
◇㐂那屋敷;うるせえガキだ。
☆祈里待:ま、待て……どこに、いく……んだ……!
◇㐂那屋敷:決まってるだろ、戦いの
☆祈里待:や、め……ろ……!
△竜宮N:
とするが力が入らない。
〇桔梗:
◇㐂那屋敷:うるせぇぞ! ガキがァ!!
〇桔梗:っつ!
◇㐂那屋敷:大事な
死にたくなければ、さっさと
〇桔梗:出ていきません!!
◇㐂那屋敷:いい加減にしろ!
奴は負けたんだ! もう動けねぇ!
戦いで敗者に待ち受けるのは死だ。
せめての情けをかけている、早く出ていけ。
〇桔梗:まだ……
◇㐂那屋敷:んっ?
〇桔梗:まだ、
◇㐂那屋敷:ガキが、何を寝ぼけたことを言ってやがる!!
〇桔梗:私はガキではありません!
私の名は、
例え【
◇㐂那屋敷:言うじゃねぇか……なら、その
〇桔梗:私は逃げない!
◇㐂那屋敷:その
△竜宮M:まずいな、ここは
あぁ、
【シーン08】
☆祈里待:どうなってるんだ……これ……?
△竜宮:まさに
目の前の光景が止まった。
そこだけ時が止まったかのように。
☆祈里待:なんで止まって――
〇䅣儀:手痛くやられましたね。
☆祈里待:あんたは……あの時の……!
〇䅣儀:私が言った言葉を覚えていますか?
☆祈里待:……あの時、あんたは「
教えてくれ、あんたは何の選択を聞きたいんだ!
〇䅣儀:
☆祈里待:えっ?
〇䅣儀:戦う理由を
☆祈里待:…………。
〇䅣儀:
☆祈里待:違う……
〇䅣儀:えっ?
☆祈里待:俺が、戦うのは……
△竜宮N:
しかし、彼の顔は決意に満ちていた――
☆祈里待:俺のは
〇䅣儀:誇り、ですか?
☆祈里待:そうだ……自分の命を投げうってでも守りたい誰かの為に……
一種のエゴだよ、守るために俺の命を差し出してもいいと
思う程の、な。
〇䅣儀:それは
☆祈里待:確かに
正直言うと、死にたくないと気持ちはあるけど。
それよりも、守りたかった人間がいない未来が怖いんだよ。
……今はこうやって戦うことを
昔は何も出来なかった。
目の前で家族が殺されても、
〇䅣儀:…………。
☆祈里待:生き残ったとしても、あったのは絶望と
何度も何度も死のうとしたけど……
ぜーんぶ、あいつが止めるんだ。
何度も何度も……だから、
――「今度はこそは失う訳にはいかない、命を賭けても」って。
自分勝手な
でも、決めたんだ。
それが――俺の戦う理由です。
〇䅣儀:なるほど、そうですか……これなら、安心ですね。
☆祈里待:えっ?
〇䅣儀:
――【
さあ、私の手をとって――
【シーン09】
△竜宮N:
目の前の男に殺されることを
それでも、彼女は
その時だった――
◇㐂那屋敷:おいおい……やってくれるじぇねえか!!
△竜宮N:自分が誰かに抱きかかえられていることに気付く。
〇桔梗:み、なと……?
☆祈里待:悪い、ちょっと寝てた。
大丈夫か?
〇桔梗:…………うん!
☆祈里待:そうか、それならよかった……
勝負が終わるまで
〇桔梗:
☆祈里待:んっ?
〇桔梗:絶対に……勝ってね。
☆祈里待:――あぁ、承知した! お嬢!!
◇㐂那屋敷:おいおい、
☆祈里待:黙れ。
◇㐂那屋敷M:なんだ? この力は……!!
それにさっきよりも様子が……一体、どういうことだ?
なぜ傷が回復をしているんだ!?
☆祈里待:ふん!
◇㐂那屋敷:ちっ!
☆祈里待:……お前には
なら、そのお返しをしてやる。
――『右の
左の
◇㐂那屋敷:その
〇桔梗:
△竜宮:ふふっ、認めたのじゃな……
〇桔梗:どういうことですか……? 将軍様?
△竜宮:見ておれ、
あの者が――新たなる【
☆祈里待:『
――
△竜宮N:【
保ちながらも龍へと
〇桔梗:あれが【
△竜宮:そうじゃな……悪を
――【
◇㐂那屋敷:あーはははははっ! 最高だ!!
力を覚醒したってことは、テメェが本物だったという訳かァ!
だけどよォ! 戦いはまだ終わってねえよォ!!
とびっきりの喰らわせてやるよ
――
△竜宮N:
しかし彼は逃げることはせず、そこに立っていた。
☆祈里待:
△竜宮N:そう手をかざすと、
◇㐂那屋敷:なっ、そんな馬鹿な……!
☆祈里待:今度はこっちの番だ。
◇㐂那屋敷:なっ! いつの間に――
☆祈里待:くらいやがれえええ!!
◇㐂那屋敷:ぐうおおおおおおおおおおおおお!!
△竜宮N:
それに負けじと
そして――
☆祈里待:吹き飛べえええええええ!!
△竜宮N:【
身体全体を撃ちつけられる。そのまま彼は落下し、動く事は
なかった。勝敗は決したのだ――
☆祈里待:よっしゃあ……勝った……
〇桔梗:
しっかりして!!
☆祈里待:(※寝息をたてる)
〇桔梗:えっ……寝てる……?
――もう、本当に心配ばかりかけさせて。
△竜宮N:すると、再び
そして、その傍らに一本の刀が転がっていた。
〇桔梗:元に、戻った……
△竜宮:【
その
□纏:終わったのか?
△竜宮:まったく……お主の
□纏:なんのことだ?
△竜宮:あの
□纏:そんな気持ちなんて一切ないだろ?
△竜宮:…………。
□纏:アンタの
アイツを……
△竜宮:さあ? どうじゃろうな?
□纏:おい、どこにいく?
△竜宮:
□纏:うっ……それは……
△竜宮:
□纏:全く……読めないヒトだよ、アンタは。
【シーン10】
☆祈里待:
▽壱宣瀬:起きたか。
☆祈里待:あれ? ここは……
▽壱宣瀬:
☆祈里待:えっ……
▽壱宣瀬:本来であれば、
を受ける権利はないが……【
☆祈里待:……どうも。
☆祈里待M:感じ
☆祈里待:そういえば!! アイツは無事なんですか?
▽壱宣瀬:アイツ?
☆祈里待:
▽壱宣瀬:あぁ、
あの者ならば心配する必要はない。
しばらく休養をとれば、元に
☆祈里待:そうか……良かった……
▽壱宣瀬:殺そうとした者を心配するのか? 変わった考えを持つ者だ。
☆祈里待:そりゃあ、そうですけど……でも、誰だって好きでヒトを
殺したくないでしょう?
▽壱宣瀬:…………。
☆祈里待:それに、あの人は【
だったら、この
▽壱宣瀬:……戦いに身を投じる者の発言とは思えないな。
☆祈里待:
▽壱宣瀬:
☆祈里待:出て行っちまった……
(間)
□纏:おっ!
▽壱宣瀬:…………。
〇桔梗:ご、ごきげんよう。
□纏:オレにボコボコにされた
〇桔梗:
▽壱宣瀬:はぁ……
□纏:
▽壱宣瀬:お前だけならば……
□纏:んっ?
▽壱宣瀬:お前だけならば、こんなに悩まなくても済むのにな。
□纏:あっ? ははーん、なるほど……
▽壱宣瀬:……あの者を理解することはなかなか難しい。
□纏:
▽壱宣瀬:
□纏:そいつはどーも。
そういえばよ、俺たちの
▽壱宣瀬:んっ?
□纏:
〇桔梗:か、
▽壱宣瀬:必要はない。
□纏:はっ?
▽壱宣瀬:
お前たちの行動は、きっと
□纏:けっ、お前も気付いていたのか。
▽壱宣瀬:それに――あの者の
□纏:マジかよ、規則と法律で構成されているお前がそんなことを言うのか?
驚きを通り越して、キモイわ。
〇桔梗:
▽壱宣瀬:まったく、私なりの
というのは……やはり、お前は
□纏:うっせ! おとといきやがれー!!
行くぞ!
〇桔梗:あぁ、もう!
▽壱宣瀬:なんだ?
〇桔梗:ありがとうございました!
▽壱宣瀬:……ふぅ、其方はあの者の
〇桔梗:はい。
▽壱宣瀬:
〇桔梗:いいえ、そのどちらでもありません。
▽壱宣瀬:では、なんだ?
〇桔梗:『誇り』です。
彼は、守るべき『誇り』です。
▽壱宣瀬:――そうか、全く姉妹
【シーン11】
☆祈里待:これが【
俺は本当に【
△竜宮:そうじゃろうな。
☆祈里待:そうそう――えっ?
△竜宮:元気そうじゃな、
☆祈里待:うぇ!?
△竜宮:
☆祈里待:あ、ありがとうございます!
△竜宮:のう、
☆祈里待:喜んで、なんでしょうか?
△竜宮:
☆祈里待:……不思議なヒトでした。
△竜宮:不思議?
☆祈里待:懐かしい感じがしたんです。
なんていうか、その……家族? みたいな。
とは言っても、本当の家族を知らないんですけどね!
△竜宮:本当の家族を知らない?
☆祈里待:自分は元々
でも、何故だがおかしいんです。
母親の顔をなぜか思い出せないんです、なんかぽっかりと
空いてしまったかのように。
ひとりぼっちになった俺を、
それで色々とあって今は
△竜宮:そうか……そうなのだな。
突然の訪問、すまないな。
お前にはこれからも十分働いてもらわないと困るからな。
☆祈里待:あ、あの……
△竜宮:んっ?
☆祈里待:お願いしたい事があるんです。
△竜宮:なんじゃ? ひとつだけ何でもかなえてやろう。
☆祈里待:実は――
(間)
△竜宮:ふぅ……んっ?
〇桔梗:あっ!
△竜宮:
〇桔梗:えっ?
△竜宮:フフフ、
その時までの楽しみにとっておけ。
〇桔梗:どういうことだろう……?
(間)
△竜宮:まったく、おもしろい奴じゃ……あの若者は……
――だから言ったのじゃな……「キミシニタモウコトナカレ」、と。
(END)
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