〝たぶん〟間違い。



『やっと、晃良ちゃんと話せたから。

今日は、俺、手加減する気ないからね』




右近圭一くんのその宣言通り、手加減なしで、ドキドキさせられっぱなしだった私。




「............ぅ、ぁの、もう、ここで、」




私がそんな声を出した場所は、学校の目の前。




本来ならお別れする場所なのに............




離されず握られたままの、〝左手〟




左近晃良の〝左手〟と、

右近圭一の〝右手〟が握られている状況。




ドキドキが収まらないから、

早く手を離して欲しいのに............っ。




「晃良ちゃん、俺のこと、名前で呼んで?」




手が握られたまま、

ふわっと耳元に囁くように落とされた言葉。




それは、

〝たぶん〟間違いじゃないか?って。




そう思うような言葉。




今まで、

接点なんてなかったのに............どうして?




そう思っていると、読み取ったように。




「間違いなんかじゃないよ、

俺はずっと、晃良ちゃんが好きだから」




私の耳に届いたのは、

真っ直ぐな右近圭一くんの言葉。




いつも、反対方向に帰ってたから。




交わったり、

巡り合うハズのない、私たち2人だったけど。




これからは、

〝右〟と〝左〟が交わる予感がした。






fin.

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〝たぶん〟間違い。 二宮みぃ。 @2nomiya_mi

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