No48『虫夏気・ザ・インパクト』 深空瑠璃

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661916802144



「虫取りするガキをニコニコしながら眺めるお姉さんの謎」こと、今回の虫ガキ企画もいよいよ終盤戦となりました。


そしてこのタイミングで初登場となる虫ガキの新たな概念――それは虫ガキとニコ姉が互いに虫を操るバトルです。

(片方だけが虫を操る作品は先行作が複数存在しましたが、両者共に虫を操ってバトルをおこなう作品はこちらが初となります)


本作中では虫を操るバトルは「操虫闘技」と呼ばれております。

さらに、そのバトルはただ戦わせるだけではありません。


「虫夏気(ムシガキ)」という特殊なオーラを操ることで、そのバトルの規模は異能の域にまで拡大していくのです。


……ムシガキってなんでしたっけ?


それは置いておいて、河原で殴り合った昭和の不良同士に友情が芽生えるように、最初はすれ違っていた本作の虫ガキとニコ姉も、「操虫闘技」のバトルを介して互いの健闘を称えることで、徐々に距離が近づいていくことになります。


雨降って地、固まる。


最初はお姉さん然としていたニコ姉が、バトルが佳境に入るにつれて本性を剥き出しにし、それに答えるように虫ガキも心を開いていく。

相反する二つの属性が激突することで融和が生まれるという展開は、バトルそのものと二人の関係性を重ね合わせているものと考えていいと思います。


由緒正しきキッズアニメの世界で展開される、新たな虫ガキの誕生を祝福しましょう。

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