No35『虫ガキはニコ姉の幼虫』 青猫あずき
※講評内で作品の内容に触れております。
致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、
一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。
ご了承ください。
◇◇◇
https://kakuyomu.jp/works/16817330661454363910
虫ガキはニコ姉の幼虫である。
つい、脊髄反射的に「そんなわけないだろ!」と言いたくなりますが――実際に読んでみると、理に適った物語です。
本企画は「虫取りするガキをニコニコしながら眺めるお姉さん」にまつわる企画であり、当然ながら虫取りするガキ――虫ガキと、ニコニコしながら眺めるお姉さん――ニコ姉という二つの要素がかならず登場します。
しかし虫ガキとニコ姉は、必ずしも他者であるとは限らないのです。
芋虫は蛹を経て、翼をはばたかせる蝶となる。
この二つが同じ生き物だと、知識もないヒトなら気づくことはできないでしょう。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」という言葉があるように、人もまた虫に似て、幼少時からは考えられないような成長を遂げることがあります。
いや、この言葉は大昔に生まれた故事成語ですから――わざわざ男子に限定するなど時代遅れ――今ならば「ガキ三日会わざれば刮目して見よ」とでも表現した方がいいですね。
ところで、本企画は二週間という短い期間における募集となりました。
(当初は一週間予定ですが、予定を延長してほしいという希望が複数ありましたので二週間に延長しています)
そのため残念ながら参加を見送る方や、万全な状態で作品を出せなかった方もいらっしゃいます。
本作の作者さんも、募集期間を加味して「物語の骨子だけを走り書きして完成させた」とのことですが――それによるものでしょうか、漫画のワンシーンを切り取ったような、切れ味のいい小説となっています。
物語というのもまた、アイデアとして生まれ落ち、作品として成長する過程で――最終的には、思いもよらないカタチを取っていくものなのかもしれませんね。
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