No33『リンリンリリン リンリンリリンリン リンリンリリン リンリリンフォン』 鈴北るい
※講評内で作品の内容に触れております。
致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、
一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。
ご了承ください。
◇◇◇
https://kakuyomu.jp/works/16817330661685170917
タイトルにもある「リンフォン」とは、極小サイズに凝縮された地獄です。
これについては少し説明が必要となるのですが……ちょうど本作が執筆された時期には「八尺様」をモチーフとしたカクヨム発のホラー小説が、ネット上の話題を独占していました。
本企画とは無関係のため、詳細を書くのは控えますが――ネット怪談出身の怪異が総出演するオールスター的な娯楽作品ということもあり、2chオカルト板で紹介された「リンフォン」も作中では重要な役割を果たします。
そんなわけでネット上でにわかに「リンフォン」が話題に上がっていたというのが、本作が執筆された経緯にあるわけですね。
さて。
本企画は「虫取りするガキをニコニコしながら眺めるお姉さんの謎」です。
そのレギュレーションは大別して「虫ガキ」「ニコ姉」「ニコ姉の真意」です。
よって、上記の三つを守っていれば何を書いてもかまいません。
つまり……「リンフォン」を乗っけることも可能、ということ……!
そういうわけで本作の配分は、
虫ガキ:1
お姉さん:6
リンフォン:3
くらいとなっています。おかしいだろ。
とはいえ「極小サイズに凝縮された地獄」という剣呑な出自とは裏腹に、どこかほのぼのとした日常コメディの立役者として落ち着いている「リンフォン」は、虫ガキに彩りを加えるちょうどいいエッセンスとなっています。
「リンフォン」、怪談にしては殺傷力が低いので日常に絡めやすいんですよね。
ところで本作は「競作:虫取りするガキをニコニコしながら眺めるお姉さんの謎」における、同一作者さんによる「三作目」なのですが――いや、実はまだこれで終わりではないので――詳細は後ほど。
(No34に続く)
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