No32『気まずかったから』 @PPmojitarinai

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661664866341



「お姉さんはなぜ虫取りするガキをニコニコしながら眺めていたのか?」


『気まずかったから』


タイトルで回答しちゃった!?


そんなわけで、タイトルで「なぜ?」に答えるという荒業をもって虫ガキに一石を投じた作品がこちらです。

いや……たしかに気まずいときって、つい、へらへらしちゃいますよね……。


タイトルで答えちゃったら、残りの文字数どうするの?

さて、それについては本編を読んでいただきましょう。


ちなみに作中の虫ガキは、お姉さんがニコニコと眺めてくるのをみて「お姉さんは自分が捕った虫を狙っているのでないか」と思考していましたが、意外にもこれはリアルな虫ガキ描写らしいです。

というのも、本企画の元となった初出のX(旧:Twitter)上での会話の際に、経験者が虫ガキ時代のニコ姉体験を語るとき、同様の旨の発言をされていたからです。


妙齢の女性が虫を狙うなんて、現実にはありえないとわかるのですが――所詮は虫ガキ、虫のことしか頭にないということでしょうか。


本作におけるニコ姉の「なぜ?」は現実的にもありうるラインのものなので、ミステリー的な趣もあります。

蝉を詰めていた虫ガキが、ある意味でお姉さんの写し鏡となっている構図――虫ガキとお姉さんの関係性として「鏡像」を持ち出しているという意味でも――タイトルの外連味とは裏腹に、王道の虫ガキといえる作品でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る