No24『虫取り名人の夏』 飯田ちゃん
※講評内で作品の内容に触れております。
致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、
一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。
ご了承ください。
◇◇◇
https://kakuyomu.jp/works/16817330661498816151
子供の頃の遊びというものには、共通する終わりがあります。
それは「名人の誕生」です。
子供同士で遊んでいるときに、仲間うちでは誰も勝てないような「名人」が生まれてしまうと、他の者たちはやる気を失ってしまうものです。
誰だって、負けるとわかっている戦いをしたくはありません。
「負け戦を楽しんでこその戰好き」とは前田慶次の言葉ですが、そういった境地に至れる傾奇者はそうそういるものではない。
では、誰も遊んでくれなくなったときに「名人」はどうなるのでしょうか。
他の子供のように、みんなが付き合ってくれる別の遊びを始めるのでしょうか?
……あるいは?
さて、本作は「虫取り名人」を自称する少年がお姉さんと出会うところから始まる物語です。
この作品世界における「虫取り名人」は「虫域」という特殊な領域を知覚することができる能力を有します。
常人では認識できない「虫域」の中で、お姉さんと虫ガキの交流が始まる――ある意味、古典的な「キミとボクの二人の世界」を構成するためのガジェットが「虫域」である――という見方もできるでしょう。
しかし、元気で健康なお姉さんですね……。
カブトムシの鳴き声は「カブト」ではないと思いますが……。
そんなわけで、虫取り名人たちの夏はこれからも続いていくようです。
めでたし、めでたし。
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