第13話 共感

                      エミリー・ブロンテ作

                           額田河合訳 


おまえの胸に絶望などありえない

夜の星々が燃え続けている限り

たそがれがひそやかに夜露をおろし

陽の光が夜明けを黄金に変え続けるかぎり


絶望などありえない。たとえ涙が

滝のように流れ落ちるとも

長い間おまえがこよなく愛してきたものたちが

水遠におまえの心のそばにいるではないか


それらは泣く――おまえも泣く―そうでなくてはならぬ

風はため息をつく、おまえがため息をつくように

そして冬は、その悲しみの雪を

散りしいた秋の落ち葉の上に降りそそぐ


だが、すべては再び生まれる、ならば、その蓮命と

おまえの運命とが別のものでありえようか

ならば行け、おまえの道を、おごることなく

しかし、断じて、望みを失うことなく

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