7

 マックドアは空を眺めていた。隣には彼女がいた。

 彼女もまた空を眺めていた。

「あと少しで人が落ちてくるな」

 だしぬけにマックドアは言った。

「ええ、そうね、あと少しねェ」

 マックドアは彼女を見つめた。奇麗なブルーの瞳。長いまつ毛。

「なんのために落ちる?」と、マックドアは尋ねた。

 彼女は空から落下して地表を血で染める、『赤ペンキ部隊』の一員であった。

「街を真っ赤にするためよ」と、彼女は答えた。

 彼は今一度空を眺めた。空は手で掴んでも、指の間から零れ落ちそうなほど透き通った青色だった。

「明日には雨が降るな」

「ええ、そうね、明日には降るわ」

「なんのために降る?」と、マックドアは尋ねた。

「・・・・・・赤色を洗い落とすためよ」と、彼女はいった。

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