6

 マックドアはニューヨークという田舎街に住んでいた。

 その街は、現実に起こる全てのことがナンセンスであるため、『夢の街』とも呼ばれていた。

「全てが荒唐無稽な街」という意味である。

 ニューヨークでは、一日に数回人間が空から落とされる。

 ・・・・・・ナンセンス。

 マックドアはその街で、人から言葉を奪い取る、『言葉狩り師』をしている。

 ・・・・・・ナンセンス。

 ・・・・・・この世界、この街では、どんなに不可解な出来事も許される。

 ・・・・・・ああ、全てがナンセンスである。

 しかし、その街に住む人間は、他の街と自分たちの街の、何が違うのかを説明できない。

「本当に意味あるものなんて、この世のどこにあるんだい?」

 彼らは皆そう言う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る