第4話 入学

4月7日。俺たちは今、東京都某所のカレッジオブセイバー、通称カレセの門の前に立っている。

さて、校舎や寮、その他諸々の施設はゲームやアニメで見た時と外観がそんなに変わっていないから安心だな。


「-----------------------------     ↑           ↑

|------------------------------|     ↑           ↑

|------------------------------|     ↑           ↑

|-----------校舎--------------|     ↑  大きい寮     ↑

|------------------------------|    うまく作成できなかったので略

∟----------------------------|        ↓  ↓ 

     ||

「-----------------------------

|------------------------------|

|------------------------------|

|------------校舎-------------|

|------------------------------|

∟----------------------------」     ←←←←←ここまで→→→→


「-----------------------------  部室(小屋)はそれぞれ小屋になっていて、

|------------------------------|  この辺りに集中しているが、

|------------------------------| <チームコルネフォロス>だけ少し

|------トレーニング場------|  外れた場所にある。 

∟----------------------------」

(他にもあるが以下略)


入学式にて、様々な説明があった。


<1日のルーティン(通常)>

AM6:00 起床 AM8:00 各自食堂等で朝食を済ませ登校(各部屋で作ることも可)

AM8:10 始業(授業、各部トレーニング等) PM12:00~PM1:30 昼休み、校外へ行くことも可

PM3:00 掃除 PM3:30 解散、各自勉強、トレーニング等

PM7:30 完全下校(指導者からの許可がない限り寮を施錠、以降の出入りを制限)

PM10:30 就寝、女性指導者による見回り 

AM4:00以降は出入りを可とする


<定期トーナメント>

様々な団体によって開催される様々なトーナメントでは、それぞれ報酬が違ったりする。

トーナメントランクは低い順にC、B、A、S、EXとあり、高いランクのトーナメントである程出場条件も難しくなる。


また、稀にモンスターと戦うイベントが用意されることもあり、そこで稼いだ得点は成績に反映されることもある。


等々。俺の前世からの考察は見事に当たり、中等部と高等部でそれぞれ6年ずつだった。


その後は学級ごとに自己紹介をする為に教室に移った。

わぁ、椅子やら机やら黒板やらも全部同じだ。ちょっと感動したかもしれない。



学級での自己紹介を終え、今日のところは解散になった。しかし、ほぼ全員にとって解散ではなかった。

そう、人数制限のある人気なチームに入る為の争奪戦が始まるのだ。ただ、俺とテティス様は特にその辺りを考えていなかった。

ただ、俺はアニメの展開でテティス様をサポートしたい。だからあのチームに入りたいわけで、敢えて入るチームが決まっていないフリをして拉致られる必要がある。いや、こっちからとつればいい。


「うーん、アテルナ様の<チームアテネ>は人気が高すぎて入れそうもないしな…」

「それだったら、我によさげなチームがあります」

「本当!?」



今日で指導者になっておよそ2年とちょっと…。今まで担当した生徒は現在進行形の1人。どうせ今年も来やしない。

俺——沖野誠一郎は<アテネ>や<ヘルクレス>の指導者みたく、プロじゃない。だからと言ってうちに入ろうとしない生徒も生徒だが。


「沖野先生、きっと今年は来ますよ。去年の方が入学者自体少なかったみたいですし」

「だといいんだが。今年5人下回ったら他のチームと統合になるんだよなぁ…。俺は自分のチームでやりたいから統合だけは避けたい」

「それなら、半ば強制的に加入させればいいじゃないですか」

「おい、アルル。お前大人しい性格の割にたまにそういうぶっ飛んだこと言うよな」

「いえ、それほどでも」

「褒めてねえよ。まあ、俺たちは<コルネフォロス>って名前な以上、いずれ<ヘルクレス>に追い付かずとも、<ヘルクレス>の次に強いくらいになってやるんだからな」


すると、部室のインターホンを誰かが鳴らした。これはもしや…。いや、余計な期待はするな。きっと他の部の同僚が来ただけだ。


「あ、どうぞ」


扉が空き、2人の少女が入ってきた。1人は黒髪をポニーテールにした、爽やかな青緑の瞳を持った少女。もう1人は、薄水色の髪をサイドテールにした、見覚えのある少女。あれ?この2人ってどっかで見たことあるぞ。ああ、2年前の小学生乱入の時のか。間違いない。ポニーテールの方の左手の甲に星に似た形の痣がある。

まさか、冷やかしに来たのか?この二人はおそらく、いや絶対に<アテネ>に加入するだろうし…。


「あの、入部って受け付けてますか?」

「あー、そんなのやってな…へ?入部希望!?」

「やってない…ですか。それなら諦めて別の…」

「おい、待ってくれ!募集してる!!それも急募だ!」

「へ?じゃあ、いいってことですか?」

「ああ、大歓迎だ!何せ、このチームの部員は1人だけだからな」

「やっぱり、そうですか」



「やっぱり、そうですか」


しまった!口が滑った!前世から考察してた事が当たった嬉しさのあまり…。ってことは、このチームの設立は2年前、指導者の沖野もまだ25歳に行っていない。


「あ、えっと、何でもないです。と、とりあえず自己紹介に移りましょうか。我は星川パルスです。よろしくお願いします」

「私はあずまテティス。よろしくね」

「俺はこの<チームコルネフォロス>の指導者、沖野だ。呼び方は好きにしてくれ」

「じゃあ、我は沖野殿と呼びます」

「私は先生って呼ぶよ」

「了解。」

「それと、そちらの先輩にも自己紹介していただければ…」

「分かりました。私はしずかアルル。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします、アルル殿」

「アルル、よろしく!」


俺はアニメやボイスドラマ、外伝漫画でこのチームのことを想像していたが、それ以上にやりやすそうだと思った。


しかし、俺はこの後他人を拉致る仕事が待っているなど知りもしなかった。


続く

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