第4話 少し面倒な姉の話

入学式から少したったある日のこと。

学級委員としてなんやかんやクラスにも馴染んできて友達も出来てそれなりの生活を送っていたんだが…


コンコン


「失礼しまーす」


この聞き覚えのある声


(まさか………)



「中原くんいますかー?」

「…お、いたいた。ちょっといい?」



そこに立っていたのは背の高い女。


髪は短く、でるとこはでてて顔も…いやそんなことはないか。


とにかくアイツは…


「おいおいおい誰だよあの美人な先輩!まさかお前東城さんや南野さんでは飽きたらず…!」


「は!?いや違うって!アイツはただの幼なじみで…」



からかってきたのは隣の席だった男の梅原。


「同じ原がつくものどうし仲良くな!

委員長!」


てな感じで話しかけてきたのだが、明らかに良い奴ではあるから俺もそれに乗っておいた。


しかし先日…


「なぁなぁなぁおい!隣のクラスのえっと、南野さん?ってのがお前を呼んでるんだけど!?」


「そんなことを大声で言うのはやめてくれ…」


おかげ様でクラスの皆からとてつもない目で見られ、挙げ句の果てには一緒に仕事をしていた東城さんからも冷たい目を向けられた。


「いいですよ、行ってくれば。モテ男さん。」



(あの時はホントに辛かった…)



ん?いや待て今思えば東城さんってああいう冗談いうタイプなん…



「おーいまだかい?お姉さん待ちくたびれちゃうぞ?」


「お前も乗っかってくんな!」


お姉さん

実の姉…というわけでは当然無いが、昔から家が近くて、親同士も仲がよくて、よく一緒に過ごしていた。二歳離れた姉のような存在である


名前は喜多 冬華

中学にあがってから何故かお姉さんぶってきやがる。思春期には耐えられないからやめて欲しい。


「…またですか」


隣の東城さんが小声でそんなことを言ったような気がした。


いや違うんです。やめてください。

アイツはホントにそんなんじゃないんです…


「わかったわかった今行くって」


東城さんの目を見るのが怖かったからそそくさと教室の外に向かった。



俺の高校ライフ

前途多難だな…

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