おまけ 作者がアカウント抹消

 あれから、幾星霜流れただろうか。


『おはよう、悠ちゃん』

「どうしたの千瑛ちゃん? いきなり来るなんて珍しいね」

『作者がクロスのアカウントを削除したわ』

「えぇっ!?」

 散々シイッターの現状をネタにして遊んでいた作者……川野遥がアカウントを削除してしまった。

 つまり、作者がネタとしても看過しえないことが起きてしまったのだろうか?

 うやむやのうちに幹部となってしまった僕にとってこれは大きな……


 いや、全然大きな衝撃じゃないか。

 フォローもフォロワーも100ちょっとの弱小アカウントだったし。


『元々二年前にも一度抹消していたし、そこまで思い入れがあるわけでもなかったみたいね。きっかけはイーロソのブロック機能削除の宣言だけど、もう付き合いきれそうにないと思ってサクッと削除したみたい』

「ブロック機能削除は問題になりそうだよね。何で止めなかったの?」

『私の仕事ではないもの。悠ちゃんが幹部になったのだし、これからの仕事は悠ちゃんがやるべきでしょ』

「うっ、それはまあそうだけど」

 僕が何かを言っても、イーロソからは返信も来ない時があるからなぁ。


『本編で川神聖良かわかみ せいらが言っていたけれど、作者の中では、SNSはボランティア的なところがあるのよね。お互いの不満とかそういうものを聞いてあげて、代わりに聞いてもらう的な』

「あ、この話はあくまで作者がそう考えているだけで、一般論ではないからね」

『現実世界で不満とか聞いてもらうとなるとキャバクラとかガールズバーみたいな場所があるけれど、そこでは聞いてもらう側がお金を払うのよ。クロスでは、聞いたり聞かされたりの間柄だから聞く分は無償奉仕のような形でやってあげるわけよ』

「自分は聞かされる側でコストを払っていて、既にストレスを背負っている。このうえ更に運営からストレスを増やされるのはたまったものじゃないし、付き合いきれないというのが作者の行動経済学的な感覚なわけだね」

『そういうことよ』

「でも、二年前に抹消した作者が新しく作り直したのは、自作小説の話とか宣伝をしたかったからじゃないのかな?」

『最初は多少そういう意識もあったみたいね。でも、クロスに払う労力があるならそれをサイト内に向けた方が効率的だという結論に達したみたいね。これについては作者はカクヨムとノベプラしかやっていないから、なろうやアルファポリスでもあてはまるかどうかは知らないけどね』

「でも、作者はそういう結論に達したと言うけれど、だからといって労力あまり払っていないよね」

『そこは作者がダメ人間だから仕方ないわ』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シイッターの無い世界 川野遥 @kawanohate

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ