第3話

リアル


 夜

 

「お兄ちゃん!!お兄ちゃんってば!!」


「・・・」


「お兄ちゃん!!返事してよ!!」


「何??」


「あーやっと返事してくれた。さっきからずっとぼーと知ってるんだから」


「ごめん」


「いいよ。それでさ、明日休みじゃん。だから明日仲直りも含めて」


 こっちの夢の妹は俺に様々な暴言を吐き、そして、冤罪が分かった途端、謝罪もなくこんな感じで話しかけてくるのだ。


 「・・・俺、明日1日中寝るから」


「えぇー?」


「 もうこの夢の世界じゃなくてさっさと、本当の世界に行きたい。」


「だから、本当に夢じゃないよ!!お兄ちゃん」


「夢だよ。みんながこんなすぐに俺に対して責める訳ないし、関わろうとする筈がない。」


「・・・っ、私は、」


「じゃあ、俺早速寝るから」


「あっ待ってお兄ちゃん!」


 部屋に入って鍵をかける。


ーーーーーーー

 歯とか磨いてないけど、どうせ夢だし。それに寝たら、また深夜にこの世界に来ることになるだろう。


ーーーーーーー


 夢


 「お兄ちゃん!!おはよう!!」


「おはよう、ごめん寝てた見たい」


「いいよ。それよりねぇ、お兄ちゃん」


「何何?」


「じゃあーん!遊園地のチケット!!明日一緒にデートしない」


「いいね!!」


「決まりね!!」


 やっぱり本物は全然違う。

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