第2話

少し前


 その日


 「この人が私に暴力を振るいました」

  その女の子は私を指して言った。


ーーーー


 「俺は何もしてないんだよ!!本当なんだよ」


「でも、みんなしたって言ってるよ!!」

 

「信じてくれよ!!叶!!」



ーーーーー


「最低、」


「違うんだよ!!春(義妹)」


「・・・言い訳しないで!!私がどんな思いだったのか!!」

 

ーーー


 「見損ないましたよ」


「本当に、本当に違うんだって」


「妹の言っていた通りですね。最低です」


ーーーー


  

 そして、両親にも俺は責められた。



 俺の信頼と関係は一瞬で崩れた。



 それからも俺への嫌がらせは続いた。



 

 俺は思ったこれは何かの悪い夢だ。そう悪い夢


 そして


ーーーーー


 夢の中


 俺は気がつくと机で寝ていた。


 「あれ?俺は??」


「おはよう夢?」


えっ、叶が俺に普通に話しかけてくれている。


 「おはようって」


「え、何??なんで私を見て、怖い顔するの??彼女でしょ?」


「彼女??」


「はぁー!?なんで疑問系みたいな言い方なの?」


「いや、だってさぁ別れたんじゃないの?」


「それこそはぁー!???冗談で言って良いこと悪いことが」


「ご、ごめん。」


「・・・」


って叶が泣いてる??


 「ひ、酷いよ・・・流石に」


「俺が暴行したこと許してないと思って」


「なにを、言ってるのよ?」


えっ、涙を流して少し顔が暗いけど本当に驚いた反応??


 もしかして、もしかして


「な、んで夢も泣いてるの?自分で言ったんでしょ?って何?」


「夢だったんだ、夢だったんだ!!本当に本当に悪い夢だったんだ」


俺はしばらく叶に抱きついたまま離れなかった。


 そして、言ってしまった言葉の事情を話した。


 叶はすぐに信じてくれた。それは俺が嘘を言わない人だと、冗談でも言わないと信じてくれたから

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