「図書室で勉強をしていたら」

私は今日も図書室で今日の授業の復習や次回の予習などをするために

帰りのHRが終わった後すぐに教室を出た。図書室は他の高校より比較的広いほうだと思う。私の学校の図書室は結構内容の凝った小説が多い。


多分あれだろうな。この高校は頭がいい人が集まるから、そういう小説が多いんだろうな。みんなに共感してもらえると思うんだけど、時には家でやるのもいいけど、学校の図書室で勉強をしたほうが集中できるから、はかどらない?少なくとも私は捗るんだけど。


そして、誰よりも早く図書室へ向かう理由は、勉強もそうだけど、毎回定位置に、同じ時間に椅子に座って勉強をする男の子がいるのだ。その子は図書室でしか見かけたことがない。普通、廊下とかでも見かけることがあるだろうが、その男の子だけは違う。本当に図書室にしかいない。何年生かと言われたら、見た目的に3年生…かな?大人びてて、顔立ちもきれいなんだよね。私はその男の子のことが気になっていた。気になっていたというか、興味が湧いてきた。その男の子の名前すら知らない私は色んな人にインタビューをすることにしたのだ。それが始まったのが3ヶ月前。


インタビューをしてわかったことは、名前は雪谷玲央ゆきがやれお

転校生。お父さんかお母さんが海外の人。同じクラスでも、謎な男の子らしい。

でも、名前はとてもかっこいい。


その玲央とかいう男の子が今日もまた、定位置に座って、勉強をしている。今日こそ私は玲央に話しかける。


「あ、あの」


玲央は音楽を聞いているのか、イヤホンをしていた。私は玲央の肩をぽんぽんとした。


「?!」

「あ、ご、ごめんなさい。驚かせちゃいましたよね。」

「あんた、誰。」

深瀬亜友美ふかせあゆみです。雪谷玲央くんだよね。」

「は。なんで俺の名前。」

「ちょっと聞いたんだ。」


玲央はとても不快そうな表情で私を見る。


「雪谷くんは、なんでここにいるの?」

「見ればわかんだろ。勉強だよ勉強。」


いや、それはそうなんだけどね。参考書広げてるし、シャーペン置いてあるしね。


「いつもここにいるじゃない?どうしてかなー…って」

「んなのあんたに関係ないだろ。」


ちょっとは答えてくれたって良いじゃないの、!!!


「ご、ごめんね。あ、勉強の邪魔しちゃったよね。じゃあこれで。」


私が玲央のそばから離れようとしたら、


「学校の俺の居場所がここしかねえんだよ。」


と話し始めた。


「俺はすぐ転校しちまう。だから、友達なんか作ったら離れたくなくなる。だから人との関わりがない図書室で過ごしてんだ。」


そうだったんだ…。いつ転校しちゃうんだろうな。でも、高校で転校生とかあるの?


「俺はなんつーか、ここの生徒っていうより、一時的な学生みたいな?俺もなんだかよくわかんねえけど。進級する前に俺はいないと思う。今しかいない、レアみたいなやつだな(笑)」


あんな怖い表情だった玲央が笑った。笑う顔も大人って感じだな。




結論から言うと、私が初めて話した1週間後に玲央は転校。未だに玲央の行方はわからない。玲央の言う通り、本当にだったのかな?(笑)









※この話はフィクションです

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