「僕の姉」
僕には生まれたときから10歳離れた姉さんがいた。僕は姉さんが大好きだった。
僕は姉さんに言ったことがあった。
『ぼく、おねえちゃんと結婚する!』
法を知っている人ならばわかるであろう。血が繋がっている姉弟同士での結婚はできない。だけど、あのときの僕は法律なんて知らないし、小さい子が思うように、『キスをすれば赤ちゃんができる』と思っていたし、『付き合ったら結婚する』『好きだと言ったら付き合える・結婚できる』と僕自身は思っていたから、そのときの姉さんが言った、
『う〜ん(笑)どうしようかねぇ〜?(笑)無理じゃないかなぁ〜』
この言葉が僕の頭の上をはてなだらけにした。でも、僕は諦めなかった。
僕が中学に入学した頃には、姉さんは既に成人済み。彼氏がいなくてもおかしくないけど、僕は姉さんと結婚したいの一心だった。でも、幼い頃に言われた、姉さんの、
『私と
『(今はってどういう意味だ?じゃあ今このときだったらできるのか?)』
僕は中学で公民で法律を習っていくうちに、男女ともに18歳以上にならないと
結婚できないことを知った。僕はまだ13歳。
『(あと5年後…か…)』
5年も経てば、姉さんは結婚してしまうだろう。僕は帰ったら絶対告白しよう、なんてバカなことを考えていた。
___
『ただいま!』
『おかえりなさい。光、今日はあなたに大事な話があるの。準備終わったらお母さんのところにきてちょうだい。』
『?わかった。』
あんなにも真剣だったお母さんは珍しかった。もしかして、僕は怒られるのか、学校でなにかしたかなと準備をしながらとても考えた。
『母さん、大事な話ってなに?』
『あのね、あの時はまだ光が小さかったから言えなかったんだけど、あなたのお姉ちゃんね、本当のお姉ちゃんじゃないの。』
ん?え?本当の姉じゃないって…血が繋がっていない…?…!!
てことは!!
『ごめん!お母さん!急用できた!』
『ちょ、ちょっと光?!』
僕は急いで姉さんの部屋に向かった。
『姉さん!!』
『うわ?!何?!』
姉さんはパソコンに向かっていた手をパソコンから離してこちらを向いて
とても驚いている。
『付き合ってください!!!!!』
僕は土下座をした。やりすぎだと言われても別にいい。それだけ、僕の気持ちは本気だということ。
『ちょ、え?付き合ってって…何言ってるの光?』
『お母さんから聞いたよ。僕たちは本当の姉弟じゃない。血が繋がっていない。学校で習ったんだ。血が繋がっている姉弟だと結婚はできないけど、繋がっていなければ結婚できる、付き合うこともできる。結婚を前提に付き合ってほしい!!僕はまだ13歳だから5年後まで待ってほしい!』
姉さんはふふふと笑った。
『私も光が大好きよ。姉弟として、男の子として。私で良ければ付き合ってください。でも、10歳も離れていて、光はいいの…?』
『もちろんさ!やっと願いが叶った感じ!』
『ふふ。そっか。ありがとう。よろしくね。お義母さんたちにも言わないとね。』
この後、お母さんたちにすべてを明かし、しばらく話し合いをしたけど、理解してくれたし、認めてくれた。
5年後。
僕たちは5年前の約束通り、結婚した。10歳離れていても、血が繋がっていない姉弟という関係でもあるから、対応はいつも通りって感じだ。こういうときに、学校での習った知識が役に立つんだね。
※この話はフィクションです
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