霊感体質の主人公が友人の家に棲まう怪異を突き止めていく本作は、少しずつ違和感が膨らんでいくホラー作品。一方で、ヒューマンドラマやミステリー要素もあるので、ひとえにホラーとは言いにくい作品でもある。
じんわりと怪異に日常を蝕まれていく恐怖。
のほほんな日常シーンだと思っていた冒頭からすでに異変は顔を出していた……。
特に前半部分ですが、怖いというより気味の悪さにゾゾッとしました。友人との電話や遊び、職場のシーン。定期的に出てくる何気ない日常が気味の悪さを助長しているのかなと思います。
怪異の正体がわかってからどう受け取るか。
自分は、主人公の共感力の高さに脱帽しました。
霊感のある主人公蒼汰が、友人瑛斗から相談を受けたところから話しは展開していきます。
そして瑛斗に取り憑いている霊も何やら問題があり……
本作品はホラーですがミステリーの部分もあり当然、謎を解くことが作品のキーの一つになっています。
そして蒼汰は性格が優しいというか甘いところがあり、読んでいて「えーっ!?」と思ったのですが、実はこの優しさも作品のキーとなります。
物語はアンティークランタンの中に揺らめく青い光の描写など幻想的な雰囲気も漂い、ホラーでありながらもの悲しさや哀れさも表現されていて、怖いだけがホラーじゃないというところを魅せてくれていますので、怖いのが苦手な方でも読めるのではないでしょうか。
さて、蒼汰は霊媒師の力も借りて真相に迫っていきますが、たどり着いた先で下した決断とは……
真夏の怪談のシーズンではありませんが、落ち着いた作品なので秋の夜長に良いかと思います。
是非ご一読を。
筆者の碧絃さんは、別の作品では、リアルな手触りと息遣いを感じる、生々しいホラーや不思議なお話を書かれています。
そんなリアルホラーの名手が送り出す新作を読ませていただきました。
本作でも、丹念、端正なストーリーテリングに導かれて、徐々に非日常の、怨嗟と霊能の世界に引き込まれていきます。
小道具や仕掛けも秀逸です。レトロさと蠱惑的な雰囲気を演出するキーアイテム『ランタン』。
霊媒の使う秘伝の武器と使い魔。
そういった艶かしいアイテムも、作品世界の中に自然に存在し、いっそ作品を魅力的に仕立てています。
こういったパーツも含め、恐怖と悲哀のミステリーを形成し、物語は加速していきます……。
生々しい恐怖と霊能が際立つミステリー、おすすめです。
まだ始まったばかりの連載へのレビューです。
読み進めたら、書き直しをするので、期待を込めて書かせてください。
これから、とてもおもしろくなりそうなんです!
始まったばかりだというのに、そこはかとないこわさにぞくぞくします。
家がこわい。
家に何かいる。
あなたなら、どうしますか?
簡単には引越せませんよね?
読者としては「早く引越せばいいのに!」と思うけれど、
現実はそうはいかない。
ああ、どうなるんだろう?
うすらこわいです。恐ろし気な予感しかしません。
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完結してから、後半一気読みしました。
一気読み推奨します!!
物語に引きこまれて、最後まで読みたくなります。
わたし、御澄宮司の推しになりました。