第29話

「優くん、」


「どうしたの?お母さん?」


「優くんって妹が欲しかったの?」


「えっ、」


「最近、妹もの漫画とか沢山買ってるよね。」


「いやぁ、そのぉ。」

優は、母に正直に話しずらかった。


「いいのよぉ、正直に言って」


「・・・正直妹が欲しいなって」


「ごめんね。ゆうくん」


「いやお母さんには全然不満に思ってないから、妹居ない一人っ子とか沢山居るし、」


「・・・そうだ!!」


優はやっぱりかぁ、と思った


「私が優くんの妹になってあげるね」


だから言いたくなかったんだよ。


そして、その日だけは、優は母にお兄ちゃんと呼ばれ続けた。


流石に優でも、困惑した。


それは普段から母をちゃんと母として慕って居るから尚更である。

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