『マタギキ!』2018年9月23日OA回書き起こし - ミロコマニアブログ

前田さん「さて今夜も始まりました『マタギキ!』司会の前田高基たかきです」

工藤アナ「アナウンサーの工藤くどう蒔子まきこです。この番組では、さまざまな世界で活躍するゲストをお呼びして、その方にまつわる『マタギキ情報』の実際のところをお聞きします」

前田さん「今夜のゲストは、なんと! 僕の先輩ですね、戸倉和津巳かづみさんです。どうぞ!」

戸倉さん「いやどうもどうも、こんばんは」

前田さん「いやあ、お久しぶりです戸倉さん」

戸倉さん「ほんま久々やな、えっ、どんだけ会うてない?」

前田さん「プライベートやったらあの、ほら灘井さんの還暦祝いでみんな集まったやないですか」

戸倉さん「そうや。あれいつやった、去年か?」

工藤アナ「灘井さんというと、トゥーンボウイの」

前田さん「そうそう。去年の夏ですね。仕事で僕ら最後に会うたんはもっと前ですよ、四、五年くらい……」

戸倉さん「それもトゥーンボウイさん絡みやったよな。菱本さんのほれ、カリフラの特番やったっけ。他局やからあれやけど」

工藤アナ「『カリフラジリスティックTV』、大人気でしたもんね」

前田さん「いまだに年一で特番やってますからねえ」

戸倉さん「そうや、あれ終わったんだいぶ昔やもんなあ」


前田さん「さて現在ですね、ドラマに映画にひっぱりだこ、俳優として大活躍していらっしゃる戸倉さんですけども、まずはこちらの『マタギキ情報』! はい、ドン。『実は……もともと芸人さんだったって、ホント?』ああ、えー、うわあ、そうかあ。まあ確かに、若い人なんかはまず戸倉さんが芸人やったって知らん人もいてますかね」

戸倉さん「いや、もうほとんどみんな知らんねやろなあ」

工藤アナ「戸倉さんはもともと、365Hというコンビで活動されていたんですよね」

戸倉さん「そうそう。辻尾ってやつとコンビ組んどって、そいつがやらかして引退してもうてん」

前田さん「辻尾さんはねえ……芸人でも今の若手はわからん子のほうが多いんちゃいますか」

戸倉さん「ソウルファイト見とったんが今の中堅ぐらいの世代やもんな。それより下の子らはそら知らんわ」

工藤アナ「『ソウル・ファイト・セッション』といえば、八十年代後半から九十年代前半、いわゆるバブル時代の頃を代表するバラエティ番組ですけれども」

前田さん「トゥーンボウイさんと365Hさんと僕がレギュラーでね、やってまして」

戸倉さん「あれな。今でこそ伝説の番組やなんや言われとるけどな、あれ当時ほんまきつかったよなあ」

前田さん「きつかったなんてもんやないですよ。特に最初の一、二年はほんまに……僕ほんまに、カメラの前で死んだろか思てやってましたから(笑)」

工藤アナ「えっ、それはどういった……」

前田さん「いやいやいや、誰が悪いわけでもないんですよ。ないんですけど、苦しめば苦しむほどウケる世界ですからね(笑)」

戸倉さん「誰も悪ないねん。やのに演者からスタッフから全員が苦しんどんねん(笑)」

(一同笑)

前田さん「あれなんでした、でっかい冷蔵庫に入れられて、僕。ありえへん頻度であくび出るんすよ、途中。寒すぎて。でもそこ越えたらなんや急にまったく寒くなくなってきて。あ、死ぬんや……思て」

戸倉さん「あれなんやったっけ、なんで冷蔵庫入ったんやった?」

前田さん「あのあれですよ、でかい氷をね、チーム分かれてでかい氷運ぶ対決ですよ。どんだけ溶かさんとゴールまで持ってけるかって、で灘井さんチームやったんです、僕。灘井さんがねえ、あの人めちゃくちゃでしょ、前田の体冷やして背負わせえ! 言うて」

戸倉さん「前言撤回! 誰も悪ないことないわ、灘井さんが悪いんや(笑)」

前田さん「ほんまですよ! でもトゥーンボウイさんもしっかり体張ってやってはったやないですか、せやから……」

戸倉さん「せやからよけい後輩も体張らなあかんようなっててんな。負の連鎖や」

(一同笑)


前田さん「そんで、そんな感じでやっとって、数年。五年ぐらいですか」

戸倉さん「そんぐらいやったかな」

前田さん「経ったあたりで、辻尾さんが一般の人殴って逮捕されてもうたんですよねえ」

戸倉さん「そう。まあ酔うててやけどな。ごっつ酒癖悪かってんなあいつ。ほんましょうもない……でもほんまにおもろいやつやったけどな」

前田さん「あの人はもう、あの頃の芸人てもんを体現したような人でしたからね。なんや菱本さんによう気に入られてはりましたねえ」

戸倉さん「菱本さんなあ。俺らのことかわいがってくれはって、辻尾復帰させたる言うていろいろやってくれはってなあ。やのに復帰直前になって番組自体が終わってもうて」

工藤アナ「ええっ、そうだったんですか?」

前田さん「はい。あのねえ、生放送で対決企画やったんですよ。ローション全身かけて、床が坂になってるんですね、そこ滑り降りるんです。でも滑り降りた先のクッションがちゃんとなってなかって、ゲストで来てくれてた若手の子が首の骨折ってもうたんです。そいで安全管理ができてへんいうことで、ちょうど改編期も近かって、そこでもう終了いうことになったんですわ」

戸倉さん「ほんで辻尾もそのまま引退してん。引退つか、失踪やな。急に連絡つけへんようになってん。365H崩壊や。俺ネタもよう書けへんしやな、どないしよ思てたとこに役者の仕事来て、まあコントやなんやもやっとったしいうことで受けてみたらこれが意外と評判よかってんなあ」

工藤アナ「それで今に至るわけなんですね」


前田さん「菱本さんと辻尾さんといえば……あーでもあれですね、戸倉さんの回やのにこんな話ばっかしててもねえ」

戸倉さん「いやええよええよ、こんなときやないと辻尾の話なんかでけへんし。いや、でけへんことないけど、せえへんし」

前田さん「ほんまですか。ありがとうございます。あのあれ、出たやないですか、何年か前にDVD。ベスト版いうて。ソウルファイトの」

戸倉さん「ああ、辻尾全カットのな」

前田さん「そう、あれ、出るとき相当揉めたらしいですよ」

戸倉さん「え、なんやそれ知らん」

前田さん「菱本さんがあれ、なんで辻尾出されへんねん! 言うて、ごっつ怒りはって」

戸倉さん「ほんまに!? いや、ほんまかそれ?(笑)」

前田さん「ほんまですよ(笑)」

戸倉さん「そんな、そんなんで怒らへんやろあの人(笑)」

前田さん「いやもう、辻尾さんのこととなるとほんま人が変わったように……(笑)」

戸倉さん「なんなんやろな。なんで菱本さんあいつのことあんな気にしてくれはんねやろ。まああの人は昔っから何考えてはんのかようわかれへんとこあるわ」

前田さん「そうそう、天才ゆえに(笑)」

戸倉さん「天才ゆえにな(笑)」

(一同笑)


戸倉さん「そうや、俺これ今まで言うたことなかってんけどな。あいつが捕まって謹慎なってから引退するまでの間でな、一回だけ電話で話してん」

前田さん「え! ほんま初耳ですわ、それ」

工藤アナ「どういったお話をされたんですか?」

戸倉さん「大したことやないねんで、ほんま、十分十五分ぐらいしか話せへんかったしな。あいつなんやごっつ暗かって、まあ謹慎中やったから当たり前やねんけど。こんなんでもほんま今やから言えることやわ。あいつ、素人殴って捕まったやんか。あれ相手なあ、週刊誌の記者やったらしいねん。居酒屋で会うてな、あっちも酔うてて。自分の記事今度出るでえ言われて。昔付き合うてた女流産さしたやろ、てな。そんでこれがまあまったくの嘘でもないねんな。あいつ大阪いた頃に付き合うてた彼女妊娠さして、でもその頃まだ売れてへんから育てられへんいうことで親に頭下げて金工面して中絶さしとんねん。ほんでこれどうこじれたか知らんけどこの女が垂れ込みよってん。そっからもう記者と喧嘩やわ。人殺し! 言われたんやて。人殺しに芸人なんかできる思うな! 言われて、できるわアホ! 言うて、そいで取っ組み合いや。バーンぶん殴って、相手の鼻折ってん。……まあよう考えたらおかしいねんけどな。人殺しに芸人できるか言われて、できるわアホ言うのは、なんや、違うわな(笑)」

前田さん「いやいや……すごい話やな……(笑)」

戸倉さん「あと俺は別に人殺しに芸人でけへんとも思わんけどな。でもあいつな、最後電話切るとき『ほんまにそうかもわからんわ』言うててん。何がや思たけど訊く前に切れて、そんでもうそのすぐ後ぐらいにソウルファイト終わって、連絡取れへんようなって、そのままや」

前田さん「いやあ……、ほんまですか。はあ、すごい話やわ。これはほんま……お蔵かもしれへんな(笑)」

戸倉さん「おい! 絶対放送せえよ(笑)」

(一同笑)


前田さん「いやでもこんな話してたらもう今夜終わりですわ」

戸倉さん「え! ほんま?」

工藤アナ「というわけで、来週も戸倉さんの『マタギキ情報』をたっぷり伺っていきたいと思います」

前田さん「それではみなさん、おやすみなさい!」

工藤アナ「おやすみなさい!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

待つ痛み クニシマ @yt66

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説

空が焦げるまで

★5 現代ドラマ 完結済 6話