第46話「音楽部」愛は、いろいろ想うのです。

テニスの山崎顧問は、「実にアッサリ」と学園を解雇されました。

私(愛)は見送りもしませんでした。

「イマサラ」だし、他のテニス部員も「良かった!」なので、私自身に追及はありません。

すでに副顧問の石田先生(この人は理性的な人)、が普通に動いています。


でも、私は骨にヒビなので、テニスは当分無理、悟の音楽部にいます。

絵を描いたりすることは好きなので、音楽部の定演のポスターを作って、チラシ、チケットも作ります。

その他、パート練習と合奏練習のスケジュール表を作ります。

(パソコンは好き、悟より上手なので、マウント取っています!)


音楽部の練習ですか?

いい感じです。(悟が、キビキビと振るので)

悟の指揮棒を見る女の目線ですか?

気にならないです。

(女たちは、ヘマすると怒られるので、指揮棒について行くのに必死ですから)

それに、モーツアルトの41番シンフォニーです。

誰もフラチな思いで演奏したくない、そういう神曲です。


練習は定時、キッチリ終わります。

(悟の性格です、モタモタするの嫌いなので)

(山崎顧問時代のテニス部とは、大違い)


で・・・ずっと聴いていると・・・白鳥恭子が胸を揺らして(もう張りがないので)「愛ちゃんも、何か楽器練習したら?」って聞いて来たんです。


でも「小さい頃、フルートなら」なので、悩んでいます。

(下手に吹いて、悟にダメって言われたくないし)

(洋子とか、三条春香、大塚ひかりちゃんにも、可哀想な人って思われたくないし)


「テニス部に復帰したいか?」ですか・・・

足次第です・・・数か月かかるし(リハビリも含めて)、もう受験に有利にならない(涙)。

だから、戻っても趣味程度です。


こうなったら、悟の近くにいたいなあと・・・彼女とか何とか、どっちでもよくて・・・

登下校は、当分悟介護士にお任せですし、勉強も家は隣で、部屋もお向さんなので実質隣で・・・


悟と別れ?無理みたいです。(悟は迷惑かな、太ったし)

怪我さえなければ?そう思う時もあります。

でも、今さらなんですよ、それは。


フルート練習するかな・・・悩むなあ・・・5歳の頃、悟に笑われたしね。


あ・・・4楽章が、かっこよく終わりました。

部員が全員笑顔でナイスのクールサイン、楽器を片付けです。(この一体感、テニス部にはなかった)


悟が、私の前に来ました。

でも、ニコニコと数人一緒です。(何かあるのかな?)

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