第45話学園長杉下憲治の怒りと、山崎顧問の処分

私は、学園長の杉下憲治です。

本日、若宮悟君と中山愛君から相談を受け、実に驚きました。

(音楽部の白鳥恭子先生も、厳しい顔で付き添って来ました)


若宮悟君が、問題の録音を再生しました。

愛君

「山崎顧問、怪我をしてしまいました、当分練習できません」

山崎顧問

「だから、怪我はどんな理由があっても、自己責任」

悟君

「愛は、雑踏で将棋倒しが起きて、おばあさんをかばって、かばったんです、人を救った結果です」

山崎顧問

「ババアなんてかばう必要あるのか?愛は大会前だろ?」

「その自覚が欠如している」

愛君

「おばあさんが、酷い怪我になっても?」

「命だって危なかったのに?」

山崎顧問

「俺の知ったことでない、愛の自己責任」

悟君

「おばあさんからも、警察からも、感謝されましたが」

山崎顧問

「そんなのテニスの大会には何も関係がない」

「俺の知ったことか!」

愛君

「テニス部辞めたくなりました」

山崎顧問

「ああ、勝手にどこにでも行け!」

「練習もできない、大会にも出られないなら邪魔でしかない」

「すぐに退部届書いて出せ」


私は、実に呆れ果てました。

(午前中に、警察から愛君に感謝状授与の連絡を受けていたので、なおさらです)(全校表彰です)


山崎顧問を呼んで、弁明を聞きました。

(もちろん、問題発言を再生したうえで)

(別の不穏情報も耳に入っていました)

「山崎顧問、かなりな問題発言ですよ、理事会にも報告し、処分対象です」


山崎顧問は、慌てました。

「いえ・・・あの・・・大会重視で、他の生徒も出たがっておりましたので」


「いえ、まずは、愛君を人命救助でほめるべきなのでは?」

「それと、善行を行って怪我をした愛君にねぎらいの言葉が何もなく、ただ追い出すだけ」

「大会成績至上主義も酷過ぎる」

「あなたは、教育者ではない」

「ただの大会屋です」

「教育者でない人は、本学園にはいて欲しくない」

「あなたこそ、本学園の邪魔者です」

「学園長権限で理事会終了まで、自宅謹慎を命じます」


山崎顧問は、ひどくうなだれ、学園を去りました。

他の疑惑もあります(生徒への多くの暴言、新宿三丁目のピンサロ通い疑惑)ので、解雇は間違いありません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る