第44話愛は音楽部に テニス部山崎顧問の非情発言

僕(悟)は、お隣さんなので、愛と一緒に登下校です。(当分、復活です)

何しろ、愛は松葉杖が下手ですし、すぐにコケそうになるので、怖いから。

混雑する駅のエスカレーターは危険なので、当分はエレベーターも使う、その付添もします。


教室の席も、担任に言って、隣にしてもらいました。

(愛ちゃんの介護?ってみんなに笑われています)


愛の部活も変えました。(同席しました)

テニス部の山崎顧問は、アッサリでした。

「試合に使えない人は、いなくていいよ」

「どこでも行けばいい」

(この非情さにムッとして、愛もキッパリと、テニス部を諦めました)

(生徒の心や、身体を心配することがない人)

(愛は、可哀想に泣いていました)

(大会成績至上主義、体育会の典型のような人でした)


愛は、音楽部に入れました。

(僕も指揮者として、練習もあるから)

(一緒に帰ることが目的でもあります)

楽器は、経験がないので、マネージャ―です。

今は、足が使えないので、定期演奏会のチラシとポスター制作を任せました。

(素直に取り組んでいます、もちろん、他の部員も愛に同情して、手伝います)


練習が終わって帰る時に、テニスコートの横を通ります。

(愛は、辛そうな顏なので、僕も辛い)


真田洋子と、三条春香が、相談しています。

「ねえ、山崎顧問、酷過ぎない?」

「うん、愛ちゃんが、可哀想過ぎる」


愛は、下を向きます。

「そういう、厳しい人なの」

「私の怪我は、私の不始末って言われた」

「そういう運命だったの、私」(涙こぼしているし・・・)


大塚ひかりも、怒っています。

「人を救って怪我しても、不始末なんですか?」

「山崎顧問って、そういう教員なの?」


でも、心配はいりません。

全て録音してありますので。

明日、学園長の前で、録音を再生します。

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