第47話音楽部は愛の歓迎会

「え?マジ?」

私、愛は耳を疑いました。

悟が椅子から立ち上がらせてくれて、

「今から愛の歓迎会、出席者は管弦打楽器のパートリーダーと有志」と言うんですから。

(そんなのテニス部では、全くなかった)

(練習して、他人に勝つことしかなかった)


ファミレスでの歓迎会は、結局音楽部全員でした。

(悟人気かな、気になりませんよ)

(お隣さんですが・・・恋人ではないので)

(乳制圧の過去?)

(あれは好きです、子供の頃からの趣味ですから)


自己紹介もしました。(そういうのは得意です)

たくさん、いろんな人とお話して、面白いです。


今ですか?三条春香と、真田洋子、斎藤茜(同じクラス:フルート)、大塚ひかりちゃんと密談中です。

(悟は、木管楽器の人たちと、モーツァルトについて議論中)


真田洋子

「あのさ、愛、悟をもっとしっかり、監視してくれない?」

「うん・・・お隣だし、よく見えるよ」

三条春香

「その意味でなくて、悪い虫がつかないように」

(あんたも悪い虫では?)

大塚ひかりちゃん

「テニス部のクマゴロウ征伐と音楽室でピアノ弾いてから、女子たちの話題が多いんです」

(はぁ・・・それか・・・悟の腹黒を知らないからなあ・・・)

斉藤茜

「私にまで悟のアドレスを聞いて来る女もいるの、超面倒」

真田洋子

「いい演奏会にしたいし、トラブル防止の観点から」

(洋子も元凶の一つ)


・・・そんなことを言っていたら、腹黒大魔王が来ました。


「愛、食べ過ぎるなよ」

(まだ苺パフェとポテトとミニピザだけだもん)

「フルート吹いてみる?」

(こいつ・・・下手を承知で、しごいて苛める気かも)


斉藤茜がフォローしてくれた。

(容姿は十人並み、配慮は深い女だ)

「私が練習に付き合う、それでどう?」

(はい・・・善処いたします)


帰りは、悟介護士と、三条春香、大塚ひかりちゃんの、いつものカルテット。

春香は、いつもの甘い声。(かつては、下心声と思っていた)

「せっかく音楽部にいるんだから、楽器吹かないとね」

(案外、いい女かも、仲間になると)

ひかりちゃん(この子は、純真で好き、悟の腹黒を忘れさせる)

「私も、愛先輩に付き合いますよ、わぁ・・・楽しいなあ。これから」


悟は・・・やはり腹黒を発揮した。

「愛は、食べ過ぎって、珠美ママに言っておく」

「今夜は水だけにしろよ」


(悟が誘っておいて何?)

(悟の食べ残しのハンバーグとナポリタンも食べた)

(体重ねえ・・・3.5㌔、今のところ)

(ブラもきつくなった、いよいよFカップだ)

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