第42話愛と悟のラブトーク?・・・違うかも

こういう時(こういう時だけ)、悟ってやさしいんです。

タクシーで家について、おんぶして、ママに状況説明してくれて。(私の説明だと、意味不明かも)


そしてまた、おんぶして、階段上ってくれて、私の部屋に。

(なんか・・・恥ずかしい、女子部屋で・・・掃除しておいてよかった)

本当に、そっとベッドにおろしてくれた。

(痛みを感じさせないように)

「愛、ごめんな、救えなかった、怪我をさせた」


「悟のせいでないもん、あれは事故」

「警察が来たら、俺が言うよ、被害者優先にしたって」

(・・・助かる)


「でもさ、大会に出られないよ」

「愛、我慢しろ、無理はするな」

(お父さんみたい・・・10分弟のくせに)


「山崎顧問にも説明して」

(私、あの顧問嫌い、悟、何とかして!)

「ああ、任せろ」

(頼れる弟だ)


「受験困ったな、もう無理かも」

(・・・潤んだ・・・お先真っ暗で)

「愛が決めることだよ」

(そうなんだけどさ・・・)

「悟の近くにいたい、近くの大学でいいよ」

(離れたくないし・・・顏いつも見たいし)


「テニス、続けたい?」

(・・・核心突くのが悟)

「戻っても、当分見学で、いつ終わるか、わからない練習」


「勉強時間が足りなくなるぞ」

(うん・・・練習終わってから、片付け係になりそう)


「ねえ・・・悟」

(もう、悟は、これで、わかった顔)

(以心伝心の先を行く関係です)


「じゃあ、マネージャーできる?司会とかスケジュール、チラシ、ポスターも」

「うん、山崎顧問と白鳥先生にも言うよ」

(なんか、怖いな)

「俺からも言う、まかせろ」

(地獄に悟だ・・・悟がお地蔵さんに見えた)

「ありがと・・・悟」

(赤い前掛けして、お供えしてあげる)


「白鳥先生の司会より、愛のほうが、声が可愛い」

(・・・そっち?このアホ!)

「白鳥先生、最近、フラれたって知ってる?」

(女子は怖い、誰かが涙の白鳥先生を街で見たから)

「へえ・・・どうでもいいや」(こいつも腹黒だった)


「今夜泊っていく?」(もう、夜9時過ぎたし)

「あのさ、1分かからない、泊る意味ない」(確かに・・・)

「愛は寝相悪いし」

(こういう無粋な男は、上四方固めで眠らせたい)

(生乳圧殺刑だ)


「帰っちゃうの?」(泣きそう・・・なんでか、わかんない)


「明日も、おんぶするよ」(そこまではうれしかった)

「食い過ぎるなよ」(重い?この根性なし!)

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