第41話私(愛)は悟に、おんぶすることになった。

私、愛は、頭が真っ白です。

ちなみに、右足首も、ギブスでガチガチ、真っ白。

上野先生(私も悟も、子供の頃からお世話になっている)は、「愛ちゃん、骨にヒビ、当分無理できないよ」と、やさしいけれど「恐怖の診断」です。


「あの、すぐ先にテニスの試合が・・・」

「それで3位以上が進学の条件に」

「休むと、筋肉が落ちるので」

(無理とは思ったけれど、聞いてみた)


上野先生は、マジに厳しい顔だ。

「一生歩けなくなるよ、いいの?」

「今、無理して車椅子で一生過ごす?」

(おい・・・怖いよ、そんなの)


「はい・・・」

(頭が真っ白から、お先真っ暗になった)

(悟、何とかして・・・)


上野先生

「悟君が上手に縛ってあった」

「運んでくれて、お礼を言ってあげて」

(・・・悟・・・泣ける・・・どこ?)


看護師さんが、悟とひかりちゃん(ごめん、心配そうな顔)、洋子(こいつは・・・まあ・・・いいか)を連れて来た。


悟は、髪を撫でた。

(おい!泣かせる気?・・・もう潤んでいるのに)

「おんぶする、まだ松葉杖も無理」


「重いって言わない?」

(恥ずかしいし・・・でも松葉杖も苦手なの)


「愛のおんぶは、慣れているからいいよ」

(そこで子供扱い?)

(マジ恥ずかしい、10分お姉さんなのに)


「ヒョイ」と悟の背中に乗りました。

(少し問題が発生した・・・ブラがずれた)

(だんだん・・・生乳になるよ)

(でも、悟なら、いいかな)

(この間も見られたけど、気にならなかった)

(当分、悟に頭あがらない・・・)

(いじめるのも好きだったのに)


少し歩いた時だった。

悟が偉そうに言って来た。(この時とばかりに!)

「愛・・・顏つけ過ぎ、ヨダレたらすなよ」

(このアホバカ悟!噛みつくよ!)

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