第18話若宮香織(悟の母)です。隣の愛ちゃんが、何か変・・・うーん・・・心配

どうしたのかな、愛ちゃんが一人でトボトボと・・・

下を向いて帰って来るし・・・あれ?悟はいない・・・けんかでもしたのかな?


だから、手招きしたんです。

「愛ちゃん、こっち!」って・・・(隣の珠美ママは、まだ帰っていなかったし)


愛ちゃんは、「はーい」と力なく、我が家へ。

「どうしたの?」って聞いたら、「カクカクシカジカ」と、「悟との話」を。


私は、愛ちゃんが元気がないのが、辛いんです。

(お乳飲んでくれたし)(まん丸お目が可愛くて、いいなあって)

「うーん・・・で、愛ちゃんは、それでいいの?」

と言ったら、愛ちゃんの目が潤むんです。


「悟君は、定時に部活終わって・・・今まで、ずーと待ってもらって」

「悪いなあと思っていました」

「悟君だって、いろんな人と、いろんなことできるのに」


私は、悟にムッとしました。(愛ちゃんを守るのは、悟の役目と思っています)

「それは、悟が悪いよ、愛ちゃんを心配しないなんて」

「帰ったら、叱っておくよ」

「ごめんね、お腹減っていない?パンケーキならすぐに」

(子供の頃から、愛ちゃんの大好物なの)


愛ちゃんは、また目を潤ませるんです。(お口は、への字、泣く寸前)

「だって、お母さんが、最近太ったって・・・食べたいけど」


あまりに、涙顔が可愛いので、胸にムギュしました。

「そんなことないよ、愛ちゃん、最近ハツラツとして、輝いていて、いいなあって」

「食べて、私のパンケーキ」

(この時点で、私の胸に湿り気・・・愛ちゃん泣いています)


愛ちゃんは、お顔を私の胸に埋めて、泣き声。

「・・・悟君に嫌われたのかな、今頃彼女二人と・・・嫉妬かな、ごめんなさい」

よくわからないので、聞きなおしました。

「二人の彼女?悟が?」


愛ちゃんは顔をあげました。

(涙目・・・可愛いなあ)(でもごめんね、悟が悪いと思う)

「うん、今、音楽部の女子二人と、楽器屋さんとドーナツ屋さん」


私は、愛ちゃんを、もう一度胸ムギュしました。

(音楽部二人連れで、悟の心理がわかった)

「部長になって指揮者で張り切っているから、団員ケアだよ」

「悟って、そういう計算高い子、知っているでしょ?」

「ほとんど、お仕事感覚だよ、だから気にしなくていいよ」

「もし、本当に彼女だったら、一人にすると思うよ」


愛ちゃんの表情が変わりました。(マジにホッとした顔です・・・よかった)

「そうかな・・・ありがとうございます」


その後は、二人でパンケーキを作って美味しく食べました。


え?悟の分?ありません、愛ちゃんを泣かせた罰です。(後で叱らないと)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る