第15話おい!悟!・・・私は置き去り?しかも女連れで?

校舎(3階の音楽室窓)から、クラシック音楽が流れて来る。

モーツァルトの41番かな、悟の好きな曲。

(実は私も好き、キリッとしていい感じ)

振っているのは、おそらく悟。

(テンポとリズムがキレキレ)

(白鳥恭子の場合は、重い、鈍重な感じ)

(あのダラシナイ体型と同じ・・・あ・・・つい本音)

(本人には言わないからいいよね(笑))


・・・基礎練習しながら聞いていたら、一楽章がビシッと決まってフィナーレ。

すぐに、楽器の音も聞こえなくなった。(おそらく練習は終わり)

(無駄な練習はしない、悟らしい)(スタミナに欠けるとも言われているが)


しかし、全く・・・テニス部の練習は長い!

「長時間練習すれば、強くなる」

(山崎顧問の発想が、マジに昭和スポ根アニメなんです)

おまけに、練習終了後の、「お説教」も、(嫌になるほど)長い。

(同じ話、精神論の堂々巡りが、最低約30分)

(聞いていないと、怒るし、男のヒステリーです、気持ち悪い)


それと、今日はクマゴロウが悟に負けて、ますます機嫌が悪い。

「お前たちはたるんでいる」「情けない」「赤っ恥をかいた」

「なぜ、音楽部のヘナチョコ野郎に負ける?」

(それは暴言と思うよ)

(腹黒悟に、不器用なクマゴロウが作戦負けしただけですって・・・反論すると、また話が長くなるから、言わないけれど)


お・・・そんな状態でヘキエキしていたら、悟がニコニコと・・・(笑顔は好き)。

女が約束通り・・・三条春香、真田洋子を両サイドに歩いて行くんです。

(気になってはいません、お隣さんなだけ・・・)

(ちゃんと女子をエスコートできるのかな?それは心配)


うー・・・でも、何か、嫌。(イライラする、嫉妬でないけれど)

悟は楽器屋で、女子と笑いあって・・・

その後は、仲良くドーナツ食べる?

(マジに張り倒したくなった)(悟のお母さん;香織さんに、言いつけてやる)

(・・・何で?と言われても、事実を報告せねば、お隣さんだし)

(悟のお母さん、大好きだし・・・)(子供の頃は、おっぱい飲ませてもらったし)

(アホバカ悟より、好きだし)(・・・錯乱して来た?でも、アホバカ悟の責任)


あーーー!顧問の話、長い!この暑いのに!

悟を、こんな汗臭い身体で、追いかけられないって!

(あ・・・追いかけるのは、偶然思いついただけです、彼氏ではないので)


せめて、ドーナツお土産だよね、それくらいの誠意は示すべきだ!

(理由は・・・弱いなあ)(お隣さんだけでは・・・全然弱い)


私は、決めた。

深夜に電話攻勢をかけることにした。

(今日のフラチな、両手に花デートを根掘り葉掘り聞くのだ)

(お隣さんとスマホで長電話は変?)

(でもなあ・・・最近、太ってパジャマ姿見せられないし・・・)

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