第13話私、中山愛は、悟の人気急上昇に、焦る!(嫉妬ではないけれど・・・うん)

悟が、白鳥恭子から「釈放」されて帰って来た途端、クラスは大騒ぎになった。

(私、中山愛は、白馬の王子に救ってもらった立場、文句は言いづらいの)


「悟!ナイス!」

(・・・まあ、妥当)

「婚活失敗女に何言われても、気にすんな!」

(・・・それは禁句だよ、でも笑える)


「まさか、クマゴロウに勝つなんて」

(悟得意の腹黒作戦が成功しただけだって)

「クマゴロウは汗だくでシュンとして、早退したって」

(私としては、ザマアミロだ)


「テニス部の山崎顧問はスカウトしたいとか」

(無理、悟は音楽部の部長。テニス部は論外)

(瞬発力はあるけれど、持続力は私に負ける)

(子供の頃からだよ、全く情けない)


「女子キャプテンの渡辺涼香が、気に入ったみたい、アプローチかけるって」

(え?初耳・・・あの肉体派美女か・・・ダメ、あげない)

(悟は、彼氏でないけど、あげない)


「悟を欲しがる山崎顧問と白鳥恭子のバトルも面白そうだ」

(うん、それは面白い)(完全体育系顧問と、高飛車お嬢様のバトル、見たい!)


・・・気にしていないけれど、気にしている(自分が変、日本語崩壊した)、三条春香が入って来た。

(おい!クラスの垣根を超えるな!・・・嫉妬ではない、ケジメの問題)


三条春香は、鈴を転がすような美声で甘い声。(・・・下心声とも言う)

「悟君、大丈夫なの?」


悟は、プッと吹いた。(また腹黒?の予感)

「はい、反省してまいりました」

(イツモノコトサ感を振りまくし、マジ余裕)

(それが、反省の態度なの?まったく・・・腹黒大魔王の悟だ)


ところが・・・その三条春香を、我がクラスの真田洋子が、ブンと肩で弾いた。

(ちなみに洋子は、音楽部、ホルン吹き、お人形のように可愛い)

(時々、悟とお昼する)

(気にしているかって?・・・えーっと、していません、見張るけれど)


洋子

「ねえ、悟」

(こら!いつから名前呼び?しかも呼び捨てって何事?)

(嫉妬・・・では、ないと・・・思う)


悟も悟だ。(にやけているし、腹黒のくせに)

「何?洋子ちゃん」

(・・・いつの間に、ちゃん付け?このアホバカ腹黒悟!)

洋子

「帰りに楽器屋に行って、マウスピーズ買いたいの」

(そんなの自分で行けよ!ったく・・・)


すると肩で弾かれた三条春香も参戦した。

(お・・・どっちが強い?見物。見てあげる)

「私も行く、弦の補充」

(無理やり理由を作ったに違いない、こいつも腹黒女だ)


悟は、笑顔だ。

(こいつ・・・両手に花を楽しむ魂胆か・・・気に入らん)


「ああ、いいね、たまには、帰りにドーナツでも」


(腹が立った。私と別れて帰るのが、そんなにうれしいの?)

(私、家に一人で帰るのかな)

(何か、嫌・・・何か、寂しい)

(お隣さんがいないから。恋人ではなくて・・・うん・・・)

(ドーナツ食べたくなった、太るかな)

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