第10話悟はクマゴロウを征伐するけれど・・・天敵が!

次の悟のサービス(最後の)は、今までと全く違うものだった。

(今までは、クマゴロウの意表を突いたものだった)

(要するに、悟の最初からの作戦だったようだ・・・これで私も何度も負けている)

(私は、素直なよい子なので、いつも悟のエジキ・・・そこで笑わない!)


っと・・・悟のサービスの話でしたね、ごめんなさい。

(ついつい、悟論には熱が入ります、いや・・・恋人ではないです、マジで)


悟は、全く無駄のない美しいフォーム、そして、スパン!

(かっこいい、フォームの話です)


メチャ速いサービスが決まりました。

(クマゴロウ、一歩も動けず、キョトン状態)

(悟だって、一球ぐらいはできるんです、これ)

(でも、悟は、生まれつきナマケモノで、面倒くさがりなので、テニスを続けなかっただけ)


悟の勝ちが決まり、悟は(また派手に)ラケット(私のラケットだけど)を空に向かって突き立てます。(熱狂コンサートでオーケストラの指揮者が指揮棒を高く掲げる感じ)


当然(事情を知らない)観客からは大喝采。

(悟は、指揮者がやるようなニンマリ笑顔)

そして、得意ぶって、クマゴロウに意地悪開始です。(悟は小憎らしい顔)

(救ってもらった立場なので、今日は責め返さないけどね)


「先輩!罰ゲームです」

「今後愛に近づかないのは、当たり前として」(うん、それは助かります)

「今から、校歌を歌いながら、グラウンド3周してください!」(???)


「僕のことをヘナチョコって馬鹿にしたんですから、その罰もありますよ」

(やっぱりそれが目当てか・・・(悟の意図は、悪賢い)

(元々多汗症体質のクマゴロウが校歌を歌いながらグラウンド3週もすれば、汗がベタベタ、止まらない)

(体臭もきつい人なので、下手をすれば全校女生徒から、嫌悪の対象となる)


そんなことを言われたクマゴロウは自信喪失の上に、メチャ恥ずかしそう。

(いい気味だけど)

しかし、観客から、また大きな拍手が起きてしまった。(・・・やるしかないよね)


ただ・・・ヒーローになったはずの悟にも、災難が待っていた。

その「災難」は、音楽部顧問の白鳥恭子女史。(26歳、上野の音大卒)

(豊乳、くびれたウェスト、一応美脚・・・私には負けるけど)

(かなり気が強い人)


大きな声で、「悟君、ちょっと!音楽室に!」


さしもの頭脳派悟も天敵(悟が言っていた、私は聞いただけ)苦手のようで、ショボンと、音楽室に歩き出した。

(どうしよう・・・私・・・お隣さんとして、心配)

(悟は・・・大事なお隣さん・・・可愛いからといって襲わないで!)

(じゃない!・・・怒らないで)

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