第6話僕(悟)はクマゴロウ征伐に乗り出すことにした。

何かドラ声と愛の悲鳴が「聞こえるなあ」と思ったら、愛はクマゴロウに絡まれていた。

(・・・愛は、もう、泣き顔だ)(仕方ないなあ・・・お隣さんだし)

(愛のお母さん、好きだし・・・)(赤ちゃんの頃は、お乳を飲んだとか)

(マジに恥ずかしいなあ・・・きれいな人だし)(愛は、細々とうるさいけれど)


だから引き返した。(三条春香は、顔が引きつっていたけれど)


腹に力を入れて、クマゴロウを叱った。

(そういうのは、先輩後輩もないと思うから)

「マジにセクハラですよ、熊田先輩」


クマゴロウが、逆ギレして来た。(予想通りの単細胞、体育会系の典型だなあ)

「はぁ?何だ?ヘナチョコ音楽野郎!」(ヘナチョコは余計だ、怒ったぞ)

「俺が愛に声をかけて何が悪い!」

(愛の同意もなく、嫌がっているのに、そう言うの?)


腹に力を入れた。(人も多く見ているし、声が響いた方がいいと思った)

「愛は、嫌がっているじゃないですか!」

「そういうのをセクハラって言うんです!」

「校則で禁止されていますよね」


しかし、クマゴロウは、おさまらない・・・メチャ頑固でしつこい。

「おい!俺に勝てると思ってんのか!このガキ!」

(結局、体育会系は、そうなる)(理屈や正論は通用しないのが体育会系男)


愛が泣き顔で心配顏だから、切り返した。

「じゃあ、テニスで勝負しましょう!」

(・・・言ってしまった・・・つい・・・)

(テニスは、実は愛といい勝負)(さんざん付き合わされたから)

(・・・いつのまにか、愛は僕の背中に張り付いている)


クマゴロウは、馬鹿にされたと思ったようだ。

いきなり、首を掴もうと、飛び掛かって来たから、軽くステップ、身をかわした。

(これも合気だよ)


クマゴロウは、見事に、つんのめって転んだ。

(それでテニス部なの?マジにノロマ)


手を擦りむきながら、立ってくるから、笑ってあげた。(性格悪いかな?)

「じゃあ、昼休みにテニスコートで!」

(負けないよ、あんなノロマに)


・・・で、昼休みにクマゴロウとテニス勝負をすることになった。

(お隣さんを救わないと)(音楽部をなめるな!そんなに弱っちい部ではないよ)

(・・・それだけ、決して恋人ではないけれど・・・お隣さんだから)

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