第5話クマゴロウが迫って来た!悟が神様みたいに・・・

私、中山愛は、マジにムカついている。(あのアホバカ悟に!)

電車の中で、三条春香とベッタリって、何事?

(いや・・・嫉妬でない、念押ししますよ)


何が、

(三条春香)

「よく眠れた?」

(アホバカ悟)

「寝坊した」なの?

(盗み聞き?・・・気にしているわけではないよ、マジで)


三条春香も変だ。(顔は美人だけど、私は負けないけど!)

何をトチ狂って、よりによって悟なの?

(ほら!くっつき過ぎ!警告笛吹くよ!)

絶対、ヤケドするって、他にも悟を狙うハゲタカ女は多いんだから!

(やばい、興奮して来た・・・嫉妬でないよ、三条春香のためを思ってのこと)


あ・・・やっと駅についた。(長かったな・・・いつもの何倍か)

でも、この駅から高校までも長い。(道は広いけど)


・・・っとモタモタしていたら、三条春香と悟は、かなり先。

(おい!逃げたの?この弱虫!・・・って自分で意味わかんない)


ところが、(この忙しい時に)突然、荒げた、野卑そのものの声が聞こえた。

(大嫌いなテニス部先輩、熊田剛:通称クマゴロウの声だ)


「おーーい、中山愛!」

(マジに走って逃げたい・・・強引なセクハラまがい野郎だから)


でも、体育会系は先輩後輩の規律が大事。

(まだ、我が高の体育部は、昭和そのもの)


「はい、何でしょうか?」顔だけは明るくお返事をするしかないの。(嫌だけど)


熊田剛(クマゴロウでいいや、毛むくじゃらで、マジに体臭い、汗臭い)

「何だ、若宮悟と別れたのか?」

(うるさいなあ・・・あんたに何の関係が?・・・言えないけど)


「あ・・・もともと、お隣さんだけです」(間違いは言っていない、そうだから!)


クマゴロウは、いきなり大声。

(デリカシーのカケラもない、暑苦しいだけのマジ昭和男)


「そうか、じゃあ、俺と付き合え!」

(・・・こんなに学生だらけの人前で言うの?)


「嫌ですーーー!」(これは先輩後輩も関係ないよ、嫌なことは嫌!)


ところがクマゴロウは、しぶとい。(強引がウリ、テニスも力まかせだ)

「そう言うな!悟なんてヘナチョコ野郎より、俺にしろ!」

(だから、悟はお隣さんだって!)(クマゴロウは嫌いなの!)


「もう、よしてください!」

(嫌だ・・・誰か助けて)(みんなに注目されているし)

(逃げようとしたら、マジな目で追いかけて来るし・・・怖いよ、こいつ・・・)


聞きなれた(骨までなじみのある声が聞こえた)


「マジにセクハラですよ、熊田先輩」

(う・・・地獄に仏?いや・・・悟?泣いてすがりたい)

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