呪いを解く方法だよ☆

 おやおや、君からなんだか不吉な気配がするぞ。なんだか複数の呪いにかかっているみたいだね。呪いと呪いが君を奪い合って拮抗しているようだ。君を呪うのは私だって。ははは、モテモテでうらやましいね。


 ん? 困っているのかな? でもその呪いは君が望んだ結果だろう? 君は自分の意思で幽霊や奇妙なものの話を聞いている。この会に参加する前から君は呪われていたよ。ここ以外でも呪いを集めていたんじゃないのか? 呪いコレクターかと思ったよ。そんな変な顔をするなよ。素敵な顔が台無しだぞ☆


 まあまあ、落ち着きなさい。君は運がいいね。この私が参加していたんだ。救世主だよ。拝まなくてもいいよ。気持ちだけで十分さ。君の呪いを解く方法を教えてあげよう。この方法さえ知っていれば、いちいちお祓いに行かなくてもすむよ。じゃあ、教えてあげようか。


 恐竜は知っているよね。6600万年前までは存在していた生き物。ある日突然絶滅してしまった悲劇の生き物さ。その恐竜が絶滅しなかったらどうなっていたと思う? 恐竜人間ディノサウロウド。恐竜は二本足で立つようになり、大きな脳をもつのさ。そして知能はきっと人間以上だろうね。性格もいいんだ。他の生物を助けてあげようとする。存在することのできなかった恐竜人間。存在しないはずの概念がこの地球に残っているのさ。彼ら最強のヒーローなのさ。存在の不明な呪いに対抗するには、彼らにお願いするのがいいんだよ。最強だからね。


 じゃあ、彼らを呼ぶ儀式を教えよう。まずは深呼吸をするんだ。吸うときにお腹を膨らませるように意識して。で、息を吐く。ゆっくりね。さあ、両手を挙げてこう唱えるんだ。



  ナルジンシ


  ナルジンシ



 さあ、大きな声で! 彼らに訴えかけるように。



  ナルジンシ


  ナルジンシ  



 ふう、これで大丈夫だよ。あれ? どうしたの? 顔をしかめちゃって。ああ、そうか。嬉しさのあまりに涙をこらえているのかな。いいよ。お礼なんて。君のためを思ってのことさ☆

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