第5話 婚約者候補
陛下と食事をし始めてからずっと気まずい空気が流れている。
「あの、陛下。お話というのは何なんですか?」
「ああ、それはフレイヤのことなんだよ。最近、あの子に恋人ができたという噂をよく聞いてね」
「…そう、なんですか」
「ああ。それも、相手が君だと聞いてね」
「それは、はい。噂ではそうなんですけど実際は違うんです」
「実際は違う、か。それなら恋人ではないということかね?」
「はい!断じて違います!」
「それなら良かったが、フレイヤはライリー君に随分と懐いているみたいだね」
「そう、ですかね?」
「ああ、だから少し手伝ってほしいことがあるんだ」
「手伝いですか。どんな内容なんですか?」
「フレイヤはいつまで経っても婚約者が決まらなくてね。何人か候補もいるんだが会おうともしてくれないんだよ。そこで、ライリー君からフレイヤに会ってみるように説得してほしいんだ」
「説得ですね、わかりました」
「引き受けてくれるのか!ありがとうライリー君。これから2人で頑張ろう!」
「はい!頑張って婚約者をみつけましょう!」
フレイ様に婚約者ができれば私との噂も自然消滅してくれるはず!
「それでなんだかライリー君。明日フレイヤが帰ってくるんだが、その時パンタシアの王子が2人と王女が1人この国に留学してくることになっている。フレイヤが王子たちと仲良くなれるように自然な感じで皆で出かけるようにしてくれないか?」
「はい!わかりました!」
「それじゃあよろしく頼むね」
翌日
「フレイ様お帰りなさいませ」
「ライリー、最悪よ」
「何がですか?」
「今日、パンタシアの王子と王女も一緒にこの国に来たでしょう。留学しに来たんですって。それが嫌なのよ」
コンコンコン
「あら、誰かしら?」
「フレイヤ様、王子達がお見えになっています」
「私は居ないと伝えて頂戴」
「えっ、ですが」
「フレイヤ、お邪魔しますね」
「はぁ〜、本当に最悪だわ」
「もう、何よそんな暗い顔して」
「いえ、別に」
「そう?まぁいいわ。それより、フレイヤの専属騎士の方って貴方かしら?」
「えっ、はいそうです」
「貴方が…フフッ、私はリリアナよ。リリアって呼んでちょうだい」
「えっと、それは…」
「おい、リリア。俺たちをおいていくなよ」
「そうですよ。姉さんははしゃぎすぎです」
「あら、だって楽しみだったんですもの」
「は〜、まあいい。騎士殿、俺はルーカスだこれからしばらく世話になる」
「僕はテオと言います。お世話になります」
「僕はフレイヤ様の専属騎士のライリーと申します。よろしくお願いします」
ルーカス様とテオ様がフレイ様の婚約者候補か。絶対にフレイ様と仲良くなってもらうぞ!噂の自然消滅のために頑張るぞ〜!
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