第4話  陛下

 私は今、国王陛下と朝食を食べている。どうしてこんな事になったのかというと、それは1時間ほど前に遡る。


 ん〜、よく寝た。こんなに気持ち良く眠れたのはいつぶりだろう。今日はフレイ様が、隣国のパンタシアのパーティーに招待されて城に居ないのだ。本来であれば、専属騎士である私もフレイ様に同行してパンタシアに行くはずだったのだが、フレイ様が同行する騎士を違う人にしたいと言い、急遽違う騎士の人が同行することになったのだ。


 フレイ様に同行を拒否された時は少し寂しいと感じたけど今思えばこれは、城中で噂されるようになってしまった私とフレイ様の恋仲疑惑を、少しでも減らすことにつながるんじゃないかと思っている。


 そういえば、私の住んでいるこの国の話をしていなかった。この国はベルグランデという国で、面積が広く気候も安定していて農業が盛んな国なのだ。商業も発展していて、世界の中でもかなり中心的な位置にいる。


 この国の国王はリアム・ノア・アルネス。王妃は10年前になくなっている。子供たちは息子が1人と娘が1人いて、息子のルーク・ノア・アルネスがこの国を継ぐことになっている。


 あっ、もう8時か。そろそろ朝ごはん食べに行こっかな。


 コンコン


 ん?誰だろう? 


「はい」


「失礼します。ライリーさんですね。国王陛下がおよびです」


 え?この人ってたしか陛下の側近の人だよね。まさか、あの噂のことかな。


「あの、なんで僕陛下によばれてるんですか?」


「話したいことがあると言っていましたよ」


 うわ〜、やっぱりそうだ。噂のことを聞かれるんだ。あれは違うのに!


「どうぞこちらです。2人で話したいとのことなので私は失礼しますね」


 え、2人なの。無理、無理だよそんなの!


 仕方ない、覚悟を決めるんだ私!


「失礼します」


「ああ、よく来てくれたねライリー君」


「はい、あのどうして僕はよばれたんでしょうか」


「まぁまぁ、とりあえず座って食事でもしようじゃないか」


 気まずい。気まずすぎる!もう、全部フレイ様のせいですからね〜!




 

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