2話 特例クラスという混沌空間

「あー、お前等席に着けー。と言っても聞かないだろうが」


この何処か気怠げでやる気の無さそうな中年男性みたいな大人が教師なのか?いや、まだ可能性は残っている。意外と真面目な人かもしれない、真面目じゃなかったら私の学校生活が地獄になる。どうかそれだけは避けないとならない。


「俺は台田千茅たいだちがや、特例クラスを持つ事になった教師だ。あー面倒くせぇ、俺からは特に言う事は無いがこれだけは言っておく。絶対に問題行動を起こすなよ、絶対にだからな!フリとかじゃなく絶対な!後処理とか俺の仕事だし俺の責任になるんだよ!だから絶対n「ガシャーン!!」あ?」


やる気の無さそうな教師がフラグを立てたら見事に回収される。

さて、窓側の壁が破壊されたと…これだから特例クラスは問題児クラスと言われるんだ。どうしたら壁が破壊されるなんて異常事態が起こるんだ?


「ケホッケホッすっごい煙たい!」

「すごいな!」

「おぉ!飛ばすねぇ!」

「美少女の気配…!」

「ナンパするな、絶対にナンパするなよ」

「それはフリって事だね!へい!そこの美s──グボァ」

「フリじゃない!」

「すごいですわー!!一体どなたがどんな方法でこんな事をしたのかしら?興味深いですわー!!」

「おいおいおい!早速やらかすんじゃねーよ!誰だよ教室の壁壊した奴!」

「すまないね、ちょっと面倒くさくなって直接来た」


煙が晴れると美女と美女の後ろにくっついている白衣を着た美少女が居た。

それにしても面倒くさいから壁を破壊するのはどうなんだ?

「はぁ!?面倒くさくなった?俺の方が面倒くさいよ!これ直すの俺なんだぞ!これだから特例クラスは天災クラスって言われるんだよ!ほらー!教室に開放感出ちゃってる!匠も驚きだよ!」

「安心したまえ、ちゃんと直すさ」

「まじ?信用していい?今のところ信用度ゼロだけど」

「どんな見た目でも壁として機能すれば修復したと言えるだろう?」

「何をしようとしてる?おい?聞いてるか?なあ?おい?おーい?あのー?止まりません?これ以上被害を拡大しないでくれません?奥さん?聞いてますか?」

「聞こえないね!コール治癒者ヒーラー、リペア」

ガシャーン!!


教室の壁を破壊して緑の髪に緑の目をした美少女が入ってくる。

あぁ、また教室の壁が破壊されている。そのせいで塵が俟って凄く煙たい。それにしてもこの漫才はいつ終わるんだ?


「了解しました、マスター。この壁を修復すればいいのですね」

「ノォー!!違う方の教室の壁が!これじゃ意味無いよ!これも直してけよ!そっち直すならこっちも!」

「ふむ、こっちも頼む」

「了解」

「ありがとう、リターン治癒者」

「失礼します」

シュン


緑の美少女が一瞬で壁を直し、一瞬で消える。

一瞬で壁を直したりワープするとかどういう技術を使っているんだ?普通に技術革命を起こしてないか?


「ハァ?ワープ出来るんかーい!最初っからワープで来いよ!なんで態々壁壊してきた?俺に恨みでもある?壁壊さなくても来れたじゃん!」

「いや、壁があるなら壊すだろう?ほら、限界の壁を壊すと言うじゃないか」

「限界の壁は壊しても教室の壁は壊すな!」

「そうか…あとワープだが私の行ったことがある場所にしか行けない。」

「それならしょうがn「という訳でもないが誰かが行ったことがないと行けないんだ。許してくれ。まあ、許されなくてもやるが」反省の色なーし!ぜんっぜん気にしてないね君!うん!おじさんこのクラスでやっていけるか不安になっちゃった!」

「安心してくれたまえ、私はこれ以降登校しないつもりだ。登校もロボットに代わってもらう」

「それは…いいのか?まあ学校に来てたらどうでもいいか」

「あ、先生諦めた」

「諦めたらそこで試合終了だよ?」

「もうね、この年になると色々キツイのよ。体力落ちるし揚げ物とか入らなくなるし」

「三十路?」

「三十路後半」

「へー、三十路後半になると揚げ物が食べられなくなるんだ」

「そうそう、だから若い内に色々しろよ?年取ったら後悔することになるから。特に食べ物系統」


この先生結構ノリ良いな?気怠げな雰囲気何処行ったんだ?最初とはテンションが段違いだ


「話を戻して学校生活の事だな。まー特に気にすることはない。登校してもしなくてもどっちでも良い。ただ月に3回は登校しろよ。あと授業を勝手に抜け出しても問題ない。どうせお前等頭良いだろうし全部自習だ。好きな事やれ。但し、他のクラス。特に一般クラスに行って邪魔とかはするなよ。これが結構大事な事だ」


全部自習とか本当に通う意味あるのか?


「あ、最後に一つ。時々先輩達が乗り込んでくるかもしれないが普通に接してくれ。そういうもんd「ドゴーン!!」はぁ…来たな」

「やあやあやあ!可愛い可愛い後輩君達!私達が祝いに来たよ!歓迎してくれたまえ!」

「お、お邪魔しますぅぅ!」

「よう!寿司食うか?というか食え」

「俺の筋肉を見ろ!どうだ?凄いだろう?」

「ごめん!アタシじゃ止められなかったわ」

「こいつ等が2年の先輩達だ。素直に歓迎されろ」

バゴーン!!!

「ふっ、計算通り後輩達の教室に繋がったな。だが少し爆薬が多過ぎたか?」

「どうも!私達3年です!よろしくしろ」

「ケーキとか作ったので一緒に食べましょー」

「ごめんねー、悪い人達じゃないから安心してねー」

「はぁ…なんで僕がこんな目に…」

「入学を祝福しゅくふくするために食べ物を用意したんだ。これぞ食福しょくふく。………どうだ?」

『…………』(全員)

「どうした?分からなかったか?」

『いや、別に何も…』

「そうか、なら良かった」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る