第6話 はじめての、おてがみ? ~家庭の中心で誤解と叫ぶ?~

 魔童子まどうし保育園、魔法適性高めの子供向けの保育園。

 無意識に、無自覚に、魔法が使えたり、使ってしまう子供を魔童子という。

 良い子にしろ、悪い子にしろ、適性の有無はそれぞれであり。力のコントロールや適応性を磨く意味で、いろいろな魔童子が一同に集まる。


「みんな~。あつまれ~!」


 好き勝手に散らばってそれぞれ遊んでいた子供達が、多様な反応で振り返ったり、我先に駆け寄ったり、まだまだ遊び足りないと居すわったり。

 でも、先生達の手によって、説得というなの強制連行で集められたり。運ばれてる子は運ばれることが(((o(*゚∀゚*)たのしみo)))なのか、また戻ろうとしたりして、ツカマッタ~!


「今日は、お手紙をしましょう」

「「『おてがみ? センセー、おてがみて~?』」」

「そう、お手紙。お手紙は、誰かに元気を伝えたり、元気にしたり、いろんなことができるの。みんなは、だれにお手紙したいかな~?」

「「『やう~!』」」

「さて、ここに魔法の瓶があります」


 何も入っていないように見える、手が入るくらいの広口の瓶。瓶の内側には、びっしりと模様が描かれており。でも、何も入っていない。


「な~い!?」『ナイナイ?』「みえなー?」

「さーて、何も入っていないねー。でも、これは魔法の瓶」


 全員に中が見えるように見せると、


「先生の手によって、魔法がかかります」


 右手を中に入れると、右手がキラリとして見えるようになった。


「こうなると、魔法がかかりました。そうして、えい!」


 ビタンッ! と目の前の色紙に手を付けると、手形がくっきり。


「はい! お手紙が~、できました~! お手紙、したい子。あつまれ~!」

「「『はい! はぁい!」」』


 それぞれが手を挙げて、先生の持つ魔法の瓶めがけて殺到する!


「順番、順番にだぞ~!」

「魔法の瓶は、ここにもあるぞ~!」


 さらに大きな広口瓶、というより、びっしりと模様が書き込まれたタライが用意されている。


 みんなそれぞれに手を入れたり、足をいれたり、顔を突っ込んだり。

 何かが付くわけでもないが、付与魔法が掛かったことで、触れた部分だけが色付く。付く色は、それぞれの個性が現れる。赤だったり、水色だったり、ピンク色。濃淡は、それぞれの力加減。それに気がついた子達が、色々試したり。グラデーションをつけて描き始めたり。



 なお、魔法が掛かった手を口に入れようと、肌に触ろうと、色が変わって見えるだけ。


 床中が足跡だらけ、窓も壁も手形だらけ。先生のエプロンも、手形と顔拓で彩られている。

 上級者は、上手に加減してキスマーク付けたりしてるw


 そして、締め括りは…




「…おむかえですよ~!」

『はぁ~い! ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ』


 興奮冷めやらぬまま、駆け付ける!


『ママ!?』

「「「「「ハァイ」」」」」


 五人揃ってお出迎えで、テンションMAX !

 たまには、みんなでお出迎えしようとなったらしい。


『ママ、ママ! おてがみ~!』


 抱き上げてもらうと、そのほっぺたに、ペタペタ!


『ママも!』

「ん?」


 一番近くにいたママにも、ペタペタ!


『もっと~!』

「ハイハイ」


 状況がよく分からないまま、いわれるがまま。ママもノリノリで別のママに近づく。


「え?」

「…待って!」

「わぁー!」

「…やられた…」

「…あー」


 顔を見合わせれば、全員のほっぺたに手形が付いて、ご満悦。(о´∀`о)ふんす


「大丈夫ですよ。専用の紙以外には残りませんから、解呪で消せるハズですからw」


 そう言って、壁につけられた手形に向かって、『ディスペル』。元の壁に…?


「壁|…(゜ロ゜;あっ!」


 驚きの白さなまっさらな壁に。


「…先生、壁の絵まで消さないで~!」


 幼い子供向けの手書きイラストまで消えてしまっていたw


「か、描き直しだ~! (´;ω;`)」


 こうして、壁の絵は定期的に更新されたりしている。




 たくさんの作られたお手紙は、それぞれに。

 お手紙の意味は、元気! 楽しい! だぁい好き! です!




 翌日、みんなでマスク着用。

 魔法抵抗力が高過ぎて、その日の内には落ちなくなったw 後日、ちゃんと元通り?



 家庭の中心で「ご、誤解だ~!」と叫ぶ。とあるお迎えパパさんは、その日の内に、うたがうママさんから、ほっぺたに( ;゚皿゚△ △)艸(;д;メ )シ真っ赤に染まる手形が贈られたりw


 ディスペル呪文は、「ママにも、ちゅー!」で解けたけど、手形だけはガッツリ解呪不能でしたとさw

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異親伝信 ~Are you happy NOW?~ トータス @tortoise

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ