第14話 本当にどうしよう
私は今、攻められている。二人から。どっちが私の本命なのか。
どっちが好きなのか。当然、心の中で言うのならば、私の本命は、
『青杜』だ。毎年、ミニショコラを下駄箱に忍ばせるぐらいだ。
二人は私を見つめている。なにこの、どっちの手を取るかによって運命が
決まっちゃいそうなシーン。
「なあ、香菜。当然、彼氏の俺を選ぶよな?」
「今まで、たくさんキスをしてきてきた、俺だよな?」
これ、普通に困るが、ポジティブに考えたら、二人のイケメンにモテてるようなもんじゃんね。悪い気はしない。私が頭の中でぐちゃぐちゃと決めた言葉はこれだ!!
「まだ…わからない」
はぐらかしの術!!!わからないと言って、じゃあゆっくり考えてねと時間稼ぎをする結末だ!!
だが、青杜の口から予想外の言葉が出てきた。
「香菜が俺のことをこんなにも好きにさせたのに?」
…え?好きにさせた…?それって…青杜が私のことが好きってことだよね…?
え、でもどうして…?あんなに、私に冷たかったのに…?
「俺、香菜のこと…本気で好きなんだよ。」
なんかの罰ゲーム…だとしても、青杜がそんなださいゲームにノるはずがない。
じゃあ…これは青杜の本心…?
「兄貴。俺は、もう香菜の彼氏なの。当然、本命は俺に決まってるだろ。」
「そうやって、香菜への選択肢をお前自身が狭めてるだけじゃないのか?」
違う…違う…。私が自分の心に素直になれないだけ。私が好きなのは青杜だけど、
彼氏は晶人だから、どうしていいかわからないの…。
「ごめん…ちょっとこの話は後にさせて。そーれーよーり!今日のご飯担当は誰ですか!」
晶人が元気よく手を挙げた。
「俺です!今日はね〜!カレーでーす!!」
「あ、あの…」
「どうした、香菜。」
「辛いカレー…食べれないの…辛いの苦手で。」
「大丈夫だ。晶人のカレーは比較的甘い。皆が食べやすいものになってる。」
どこまで晶人の料理の腕は器用なのですか?晶人と青杜は、辛口派なのかな、それとも甘辛派?でも、この間の焼きそば美味しかったし、今回も相当美味しいんだろうな。
「カレーができるまで、好きに自由にしてて。」
「了解!」
________________________
「はいよ!俺特製甘口カレー!チーズも入ってるぜ?カレーとチーズの組み合わせは最高だ。ほら、召し上がれ。」
「「いただきます。」」
三ツ星シェフが作りそうなカレーだ。一口まずは頂こう。
「?!」
「おっ。その顔は…香菜、俺のカレー気に入ったね?」
「お察しのとおりです…!!」
「よかった!」
私達は夜ご飯を食べ終え、各自入浴を済ませ、床についた。
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