第5章
第12話 ちょっとしたサプライズ?
あのあと、私達は無言のまま家に帰ってきた。
無言のままお風呂に入り、眠りについた。
今言うのはなんだけど、リフォームし終わって、私と青杜と晶人の各自の部屋が
完成した。
今日は学校の日なのだけれど、3人とも気まずくて、私は珍しく先に家を出た。
でも、青杜とはクラスが同じなのだから、会ってしまうのだけど。
「はあ〜〜〜〜。どうしたら仲直りできるかなぁ。」
でも、これって私が悪いの?晶人が言ったことによれば、なんか青杜に何か原因があるような雰囲気だったよね…。でも、私の彼氏が晶人なのに、青杜が私にキスをしたから、二人で勝手に観覧車に行ったからそれで怒ってる…?
じゃあ尚更、私はあまり関係ない気が…。しばらく、二人の観察しますかー!!
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『気をつけ!礼!』
『始めまーす』
「では今から授業を始めます。昨日出した宿題、後ろから回してー」
明らかに二人の関係は、あの夜から始まってるよね…。翌日の朝は、ふたりとも、なんか雰囲気違ったし、青杜も青杜でいつもの冷酷男じゃなかった。私が経由して、二人の仲が悪くなってる?…やっぱり私そんなに悪くないよね?!
『…ださん。桜田さん。』
「え?あ。はい!ごめんなさい。回すね。はい、どうぞ。」
危ない危ない。授業には集中しないとね。考えるのは後ででも…間に合うもんね。
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放課後。
やっと終わった〜〜〜!!なぜだろう。今日は一段と集中して授業を受けれた。
ほんとに何で?
「香菜ー!」
晶人の声だ。そうそう。今日は晶人の誕生日なので、既に誕生日プレゼントを
予約&支払いを済ませたので、後は晶人に渡すだけなのだ。だから、そのモノがある
とある店に今日は、ちょっとしたデートとして行くことにしている。もちろん、晶人には今日のプランは内緒にしている。
「晶人!今日…デート…行きませんか?」
私には伝わってくる。晶人はあっち側を向いているけど、耳が真っ赤だ。照れてるのかな。可愛いなぁ…(笑)
「う、うん。行こう。」
私達は、恋人繋ぎをしながらお店に向かった。
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プレシャス。
そう。今の世の中では、世界第3位に入るほどのハイブランド社。
私がなぜここの商品を買うことができたかって?
幼稚園の頃から今の私になるまで、貯金をしてきた。
気になる額は、なんと、30万円。昨日、3時間かけて数えた。
でもまあ、実はバイト代もそこに入っているから少しだけ嘘を付きましたすいません。
プレシャスの商品で、一番安い商品で10万円。まあ、プレシャスの客は、99%がセレブだ。
さて、私がそんなハイブランド社で、晶人に買ったものは…
『ネックレス』
だ。え?と思った方もいただろうか。しょぼいとも思っただろうか。
確かに、15万払って買ったものがネックレスなのはしょぼいかもしれない。
(敵を作ってしまったらごめんなさい)
だけど、ただのネックレスではなく、特注のもので、私と晶人のイニシャルが入っている。ネックレス自体は10万。イニシャルを入れるだけで5万もかかるのだ。
そんな大きな買い物をしたことがない私にとっては、もうリアクションすらもできないぐらい圧倒されてしまった。
だけど、相手はお金持ちの親の息子だ。わかってるよ。お金だけが愛ではない。
心がこもっていれば、思い出の詰まったプレゼントになる。でも、一応彼女だから、お金をかけたかった、ただそれだけのことだ。
「か、香菜?ここ、プレシャスだけど、店…さすがに間違えてるよな?」
失礼な。そんなに私がハイブランド社に行って、違和感があるのかい?
「目的のお店に行くときに、毎回迷わなかった私が間違えると思う?」
「いや…だって、香菜でさえも知ってるだろ?ここは世界第3位に入るほどの
ハイブランド社だぞ?こんなハイブランドの店に、香菜がなんの用があるってんだ?」
なーーんかちょっと貧乏扱いされてませんかねー???まあ、気にしない気にしない。
「晶人にプレゼントがあるんだよね。今日、誕生日でしょ?」
「なんでそれを…」
「それは秘密。さ、入ろ。」
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やっぱり改めて店内を見渡すと、とても私が場違いな感じがする。
引き返そうかと思ったけど、晶人はどんどん店内に入っていく。
これは…私はもう引き返せないな。とりあえず店員さんに言おう。
「いらっしゃいませ。」
「すみません。予約した桜田なんですけど。」
「桜田様ですね。お待ちしていました。ご予約された品はできております。
念のため、ご予約の内容の確認をいたします。金色のネックレスにKとAの印字で、お間違いないですか。」
「はい。大丈夫です。」
「わかりました。品を持ってきますので、少々お待ちください。」
店員さんはそう言って、更に中に入っていった。
「予約…もしたの?」
「うん」
「そんなセレブな人だったっけ…?香菜って…」
「それは内緒。」
晶人は、まあいいやという顔をしている。
数分して、店員さんが中から出てきた。店員さんは、小さい袋を持ってきた。
「お待たせいたしました。お会計の方は…もうお済みになられていますね。では、またのお越しをお待ちしております。」
「ありがとうございます。」
いやっ、私みたいのが多分今後『また』が来ることはないだろう。とりあえず、人目のつかないところに移動しよう。
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「はい!プレゼント!」
「あ、ありがとう…!!」
晶人が、袋から小箱を出し、小箱の蓋を開けた。
「わ…すごい…。こんなすごいの、俺がもらっちゃっていいの…?」
「晶人にあげたくてプレゼントしたんだから、当然だよ!」
「まじか…まじサンキュ…」
そう言ってから、私に強めにハグをしてきた。
そして、晶人は、私に初めてあの言葉を言った。
愛してるよ、香菜。
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