第11話 遊園地で起きた事故

 14:56。いきなり晶人が、チュロス食べたい!!!!!と言い出したので、

 約20分歩いて、ようやくチュロス屋さんを見つけた。

 バリエーションとしては、いちご、ココア、チョコ、プレーンがあった。

 私はいちご、晶人はココアとチョコ、青杜は私と同じいちごを頼んだ。

 私達は、ベンチに移動して、チュロスを食べた。


「あ、意外といちごチュロス美味しい。」

「うん、だな。美味しい。甘々だな。肌が荒れそうだな…ははっ。」

「ココアとチョコ、味変わんねえって思ってたけどチョコはチョコ!!って感じで、ココアは大人の味がする。」

「お前に大人の味なんかわかんねえだろ。」

「俺だって、一応高2だぜ?大人の階段登ってるっつの。」

「じゃあお前は、ブラックコーヒーの美味さがわかるか?」

「…それとこれは話が別…っつーか…」

「ほら。やっぱりまだお前はガキンチョだ。」

「う、うるせえ!!…ったく…」


 やっぱり、二人の会話は聞いてて楽しいな。やっぱり、男の子だな。


 ________________________



 いろんなアトラクションに乗っていたら、いつの間にか辺りが暗くなっていた。

 スマホで時間を見ると、20時を過ぎていた。そろそろ夜ご飯を食べなくちゃ。


「そろそろ夜ご飯食べない?ちょっとお腹空いてきちゃったかも。」

「それもそうだな。晩飯はみんなで仲良く、同じもん食べようぜ。」

「そうだね!青杜、何食べたい?」

「…」


 青杜は、黙って、顔を背けている。


「青杜?」


 私が呼んだ瞬間、青杜は私の腕をいきなり引っ張って、連行された。


「あ、青杜?!どこ連れてくの?!」

「いいから付いてこい。」


 そんな事言われたって、!どんどん進んでいく。


 辿り着いた先は…


 観覧車だった。


 だけど、青杜はどんどん私を引っ張っていく。ついに、観覧車に乗った。


「ねえ!!晶人はどうするの!!」

「うるせえ。静かにしてろ。」


 もう!なんなのよ?ここまで強制的に連れ込んできて、静かにしてろなんて。

 意味わかんない。


 いつのまにか後少しで頂上に上り詰める頃だった。

 そしてついに、頂上へとやってきた。


「香菜」


 青杜が近づいてくる。青杜の手が観覧車のガラス部分に添えられ、顔がどんどん近づいてきた。そして…唇を交わした。




 私達は観覧車を降りた。目の前には、晶人がいた。


「兄貴!香菜!いきなり走りやがって…。急いで付いてきてどこに行ったかと思えば…観覧車かよ…!!」

「なあ。」


 青杜が晶人の顔にぶつかりそうなところまで追い詰めた。


「お前さ、昨日、俺に言ったよな?奪われそうになったら奪う…って。今が、そのときなんじゃねえの?」

「調子のりやがって…俺は帰る。」

「え?晶人?」

「精々二人で楽しんでろ。」


 晶人は、そう吐き捨てて、行ってしまった。

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