第4章

第10話 青杜になにがあった?

「ん〜〜〜〜!んはぁ〜。よく眠れたなぁ〜。いつぶりだろ。こんなに深い睡眠できたの。」


 昨夜、お風呂から上がった後、青杜と晶人、いつも以上にやけに静かだったけど、

 どうしたんだろう?でも、私が二人に聞くのはなんか変だから辞めておこう。

 それより、朝ごはん食べなきゃね!


 私は、1階へと階段を降りていった。


「あ、香菜。お、おはよう。」


 珍しい。青杜から朝の挨拶が聞こえてくるなんて。


「おはよう!今日は、青杜が朝食係?」

「いや、朝食係は毎日恒例の晶人とお義母さんが。俺は…その…」

「その…?」

「キモかったらごめん。香菜の弁当作った。」


 へっ?!べ、弁当?いつも私購買で買ってるのに?!一体、なんでそんなことを、しかも青杜が?


「嫌…だったか…?」

「嫌じゃ…ないよ」


 青杜が、少しニコッとした。こんな青杜を見るのは初めてだ。


「香菜〜今日の朝食はね〜じゃじゃーん!ハムたまごサンドと、きのこクリームチャウダー!ささ!召し上がれ!」


 す、すごい…。本物のシェフが作ったみたいだ…。

 私は、最初にハムタマゴサンドを口に運んだ。


「…どう?」

「おいしい…。美味しすぎて今しんでもいいかも」

「「それはダメだ!」」


 青杜と晶人の声がハモった。私は思わず、ぷっと笑った。やっぱり二人は、

 仲がいい双子だなぁ。そういえば、今日は休みだから、3人でデート行きたいな。


「香菜、晶人。今日…3人で…遊園地とか行かないか…?」


 青杜の予想外の言葉に私は、笑ってしまった。隣を見ると、晶人も笑っている。


「は、ちょ、なんでお前ら笑ってんだよ…!!」

「だって…wおかしくなっちゃって…wそんなこと普段、青杜、言わないから…w」

「で、行ってくれんのかよ…!」

「別にいいんじゃね?今日は、父さんも義母さんも仕事だし。なぁ?香菜。」

「うん…!!私でいいなら!!」


 晶人が、片腕を上げて、決定だーーーー!と叫んでいる。

 青杜は、やれやれという顔で、ほんとにうるさいなこいつはと言いながらも笑っている。今日は平和な一日になりそうだなあ。



 ________________________



 遊園地にて。


 まあ、予想はしてた。休みの日の遊園地だもん。カップルがいないわけがないのよ。

 べ、別に?私も一応彼氏持ちですし?焦る必要なんてないですし?


「香菜。何に乗りたい?」

「うーんそうだなぁ…。やっぱり、遊園地ならではの、ジェットコースターとか?!」

「俺は賛成。兄貴は?」

「定番のやつには乗らねえと、ここにきた意味がねえ。」

「よし!じゃあ、決まりな。早速並ぼうぜ。」



 おお…。ジェットコースターの待ち時間…10分…。私にとってはちょーーっと長いかな…。まあ、二人がいるから、なんか盛り上げてくれるでしょ(人任せ)。


「ここのジェットコースターは、くっっっっそ怖いらしいぜ。まじで、心臓が口から出そうなくらいぎゅんってなるって。絶対楽しいよな。なぁ?兄貴。」

「やっぱ俺いいわ…うん…」

「え、青杜。怖がってんの?(笑)」

「こ、怖がってねえよ…いや…やっぱり少し怖い。」


 ふーん?青杜にも意外と可愛い一面あるんだ。最近、やけに素直に言ってくるようになったなぁ〜。これは、私にしか知れない青杜が見れるかもっ!



 結局、私達は全員でジェットコースターに乗った。


 晶人は、とても楽しそうに独り言で評価(?)している。青杜は、というと…

 げっそりしている…(笑)


「青杜…(笑)大丈夫?」

「この状態見て…大丈夫だと思うか…?」


 正直思ってない。今までにないぐらいの絶望オーラが漂ってるから。私は、普通だった。ちょっと走馬灯見えたけど。


「次何乗る〜?」

「次…俺…パスかもだわ…。アトラクションによっては。」

「香菜は〜?」


 3人で楽しく乗れるアトラクションといえば…



「やっぱり、遊園地といえばメリーゴーランドだよな!兄貴も、段々気分落ち着いてきたかー?」


 青杜は僅かにこくっこくっとうなずいた。これは、まだ本調子じゃなさそうだ。

 でもさ…一つだけ疑問なんだけど…


 なんで私の後ろに青杜が乗ってんの?!


 いやいや、普通3人並んで乗らんか?!し、しかも、青杜の頭が私の肩にもたれかかってるし…。でも…悪い気はしないな…。彼氏は晶人でも。



 続いて私達は、ちょうど正午ということで昼食を食べに来ました!

 やっぱりね、時間が時間ですし、お客さんが大量発生中です!

 私は、大好きなカレー、青杜は気分直しに冷たいうどん、晶人は肉そば。


「うーし!じゃっ、いっただっきまーす!」

「「いただきます。」」


 ここのカレーは、具材やルーにもこだわりがあるらしく、とても美味しい。

 青杜は、静かに麺をすすっているが、表情は、明るい。美味しいんだろうな。

 晶人は、体を上下左右に振り、うんめええ!!!と言わんばかりの顔をしている。

 午後は何に乗ろうか。やっぱり、ライトアップ後のアトラクションといえば、皆はもう、予想付いてるよね?

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