第3章

第7話 やらかしてやられた

 翌日の朝。私は、珍しく5時に起きて、朝の支度をした。私は、早く起きすぎると90%の確率で寝ぼけてるので、晶人と青杜が家にいることをすっかり忘れたまま、朝風呂に入ろうとしてしまっていた。私が朝風呂に向かっているこの時は、青杜が入っていた。


 いつも通り、服を脱いで、お風呂の扉を開けようとした瞬間…


「おい!誰だ!勝手にドア開けやがったのは!!」

「へ?」

「って、はぁ?!ださくら?!ちょ、は?!おまっ、どんな神経してやがんだ?!」

「何で…男いんの…?誰…?」

「は?まさか、寝ぼけてんのか?高校生にもなって?とりあえず…後で話はするから一旦扉閉めろ。」

「私がシャワー使う時間だよ…?」

「あーわりぃな。昨日言い忘れてたな。それに関しては俺が悪かった。って、お前、裸?!?異性に、クラスメイトに、なんちゅうもん見せつけてんだよ!!!まじで扉閉めるから、あっちいけ。」


 青杜は、お風呂場の扉をバンっと閉めた。なんかさっき、クラスメイトとかなんとか言ってたけど、何がどうなってんの?とりあえず、一旦パジャマ着直すか…。せっかく、お風呂の気分だったのに…。仕方ない。今日のお弁当でも作るか…。

 私は、眠い目を擦りながら、リビングへ向かった。



 ________________________



 7時45分。

 私は、今青杜の前で正座をしている。説教タイムですな。青杜が言うには、

 私は寝ぼけて、青杜のお風呂をお構いなしにしかも裸で入ろうとしたらしい。

 目もスッキリして、頭もちゃんと起きてる私がそれを今聞くと、私はとんでもないことをしたことがわかる。もう私のおでこがすり減るんじゃないかというぐらい土下座を何回もした。結果はまあ、許してくれた。今回だけだ、次回は絶対許さねえからな、というお言葉付きで。


 青杜に開放された後、私はとあることを思い出し、晶人のもとへ向かった。


「あ、晶人!今日…だよね?」


 晶人はニコっとした。


「そうだよ。今日からよろしくね。彼女ちゃん」

「よ、よろしくね!」


 そう。今日から無期限カップルの日なのだ!ついにきた。いや、別に待ってたわけではないんだよ?だけど、今日からは青杜は青杜で、私は青杜の奴隷なわけで…

 だから、癒やしの彼氏くんも必要じゃない?だから、”ついにきた”って感じよね。

 でも、一つだけ不安点がある。いくら、青杜と晶人の顔が似てるからと言って、バレないだろうか。でもまあ…なんとか乗り切れるかな…?とりあえず、行ってからじゃないと、わかんないから行こう。


「いってきまーす!」




 ________________________



「ねえ、香菜。昨日さ…兄ちゃんと何したの?」

「え?ま、まあカップルがやりそうなことをやったよ、?」

「それってさ…キスとかしたの?」

「ま、まあね。」


 無茶振りだけどね。


「じゃあ…、上書きしてあげる。」

「え?」


 私は状況を整理する前に、晶人の唇が私に唇と重なった。

 で、あの…ちょっと言いづらいけど、道端なのにもかかわらず、その…

 は、ハムハムされてる…!!

 なんだろう…昨日青杜にもキスされたけど、晶人のキスの方が優しさが滲み出てて、柔らかい。こんなにきゅんきゅんするキスあるだろうか。でもね、晶人。ここ…


 道端だし通学路だよ?!


 みーんな見てるんじゃない?!そろそろ辞めたほうがいいんじゃない?!

 でも…晶人に包まれてる感じがして、このまま時間ときが止まればいいなと思った。私も気持ちよくなっちゃって、つい目を閉じてしまった。


 数秒した後、私は、『だから道端だから!!!!』という事実に改めて気付かされた。


「あ、晶人。早く学校行かないと…」

「ごめんね。つい、香菜が可愛くてさ。続きは今夜だね。」


 私高校生よね?20歳の間違いじゃないですよね?「続きは今夜」なんて、高校生が発する言葉なのですか?私はこんなことを思いながらも、晶人と恋人繋ぎをしながら学校へ向かった。この瞬間をに見られていて、学校で悲劇をもたらすのであった。

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