第3話 まさかの義理彼氏決定?!

「で?俺らに話ってなーに?」

「そのことなんだけど、話っていうか、お願いがあるんだよね。」

「どうせ、くだらねえお願いだろ。」

「ふふ。兄ちゃん、そんなこと言って、結局香菜の話聞こうとしてるじゃんw」

「はぁ?そんなんじゃねえよ。父さんの圧がすごかったんだよ」

「兄ちゃん、父さんには逆らえないもんね。で、香菜。お願いって何?」


 このお願いが、本当に叶うかはわからない。当然、私のお願いは、『穂波と柚葉に私の彼氏として会ってもらうこと』。ぶっちゃけ、青杜でも晶人でもどっちでもいい。どっちかが、一日だけ私の彼氏になってくれればいい。そう思っていた。


「青杜、晶人。どっちかだけでいいから、私の彼氏役を演じてくれない?」


 晶人の顔は、え?という顔で、青杜はまたふざけたこと言っていやがるみたいな不満そうな顔をしている。まあそうだよね。この家に来て初日に、義妹に彼氏役をしてほしいなんて、意味わからないよね。


「期間はどのくらいだ。」


 普段は絶対応じない青杜がまさかの、身を乗り出してきた。


「え、えっと、1日だけ…。」

「どういう条件だ。どんな理由だ。」


 珍しく、青杜が、質問攻めをしてくるから少し驚いている。なんせ、同じクラスにはいても、話すことは殆どないからだ。


「理由は、私の友達にその…彼氏を連れてくるって言っちゃって…その…その時だけ…彼氏役を演じてくれればいい…よ。条件…か…。青杜、何がいい?」


 青杜は珍しく慎重に考え、何かが思いついたように、私の目を見た。


「俺の奴隷になれ。」


 …え?ど、奴隷?


「えっと、それはどういうこと…ですか…?」

「言葉の通りだ。だがしかし、この俺に依頼するんだから、一日だけとは言わせねえよ?俺の気が済むまでお前は俺の奴隷だ。わかったか?」


 まあ仕方ないであろう。依頼を飲み込んでくれるだけでもありがたい。しかも、人が人だ。あの青杜が、飲み込んだんだ。素晴らしいことじゃないか。ここで、否定なんかしたら、機嫌を損ねるだけでなく、口を二度と聞いてくれなくなるかもしれない。


「…わかった。なります、青杜の奴隷に。」

「え〜?いいな〜。香菜、兄ちゃんの奴隷になるの?でも、兄ちゃんと付き合うのは、一日だけなんでしょ?じゃあさ、俺と無期限で付き合ってよ?もちろん、こっちは普通の彼氏彼女で。奴隷とは言わないよ。どう?俺らの頼み、飲み込んでくれる?」


 ど、どんな展開?!?!え、待って待って。晶人、何を言い出すの?!えっとえっと、青杜は一日だけ彼氏になるけど、青杜の気が済むまで私は奴隷で、青杜が一日だけ彼氏になった翌日から、晶人は私の無期限彼氏になる…と?どう考えてもなんかすごくない?!これもあれか。兄妹だけど血が繋がってないからこそできることだよね。なんか楽しそうじゃない?やってみちゃう?


「了解しました!飲み込みます!」

「よし決まりだな。」

「理解が早い女の子ってのは、好かれるぞ〜!」


 これから…どんな展開になっちゃうの〜〜〜?!?






________________________



少し遅くなってしまいましたが、もし、青杜と晶人の画像が見たい方がいらっしゃったら、近況ノートにて、想像画を載せましたので、ぜひご覧ください。


青杜

https://kakuyomu.jp/users/_harunohi_143/news/16817330661308989092


晶人

https://kakuyomu.jp/users/_harunohi_143/news/16817330661309038709

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